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[ようこそ卓球地獄へ/たまには真面目な卓球論] 卓球を見る眼

卓球王国ブックス「ようこそ卓球地獄へ」<第5章>より <その52>

 

Text & Illustration by

伊藤条太Jota Ito

仲村さんによると、実は一流選手でも回転が見えている人は希(まれ)だという

 2013年5月のパリでの世界選手権のとき、卓球王国取材班に同行した星野美香さん(全日本選手権七回優勝、ソウル五輪複ベスト4)とヤマト卓球(現VICTAS)の仲村錦治郎さん(バルセロナ五輪出場、大正大学、グランプリで活躍)と卓球談義をする機会があり、興味深い話を聞くことができた。

 面白かったのは、ボールの回転を見る眼の話だ。仲村さんはボールの回転がまったくわからないのだそうだ。だからサービスが上手な相手との試合では「さっきは下だったから次はナックルだろう」というギャンブル的予想をするしかなく、ほとんど点を取ることができなかったという。レシーブを強化しようと、フリックやストップなどのいわゆる“台上処理”の練習をたくさんしたので、他人からはレシーブが上手いと言われることもあったが、それは回転が見えた場合に上手くできるということであって、根本的に回転が見えていないので、レシーブはずっと苦手だったという。

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