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百年の茅台酒が語る秘話⑤ 〜松﨑キミ代と周恩来の友情〜

百年の茅台酒が語る秘話⑤ 〜松﨑キミ代と周恩来の友情〜

1949年の中華人民共和国の建国後、常に実務の中枢で活躍し、

「不倒翁」と称された周恩来総理は、1976年に逝去した。

それから35年の月日が流れ、中国を訪れた松﨑キミ代は、

周総理から送られた茅台酒を、その故郷の茅台酒工場へと送り届けた。

日中両国民の深い友情の記念碑とするために。

文=李永亮 text by Nagasuke Li(アジア芸術文化協会 理事長)

翻訳=古屋順子 translation by Junko Furuya

写真提供=松﨑キミ代 photo courtesy of Kimiyo Matsuzaki

すぐに卓球仲間に電話して、敬愛する総理への告別のため
みんなで一緒に大使館に行こうと言ったのです。(松﨑キミ代)

 1975年の盛夏、日中シニア卓球選手の親善対抗試合に参加するため、松﨑はまた中国の地を踏んだ。しかしこのとき北京では周恩来総理と会うことはできなかった。「そんなことは今までありませんでした」と、松﨑は声を詰まらせる。彼女の心には悪い予感が生まれた。

 東京に戻ると、その夜のうちに彼女は周総理に手紙を書いた。切羽詰まって彼女が封筒に書いた宛先は「中国 北京中南海 周恩来総理」。実のところ、松﨑は周総理の詳しい住所など知るはずがなかったし、この手紙が周総理の手元に届くかどうか知る由もなかった。 

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