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卓球王国PLUS > コラム > ITTF混合団体W杯の日本不参加から始まった国際迷走劇
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ITTF混合団体W杯の日本不参加から
始まった国際迷走劇

卓球王国2024年1月号掲載【クローズアップ】より

誰しもが懐疑的だった12月のITTF混合団体ワールドカップ。
日本卓球協会が「エントリーせず」となってから、「中国選手のTリーグからの引き揚げ」につながり、結局は「Tリーグ参戦禁止が解除」となった。
そして、ITTF(国際卓球連盟)が同大会にランキングポイントを与え、日本も急きょエントリーする方向に動いた。なぜこれほどに混乱してしまうのか。

Text by

今野 昇Noboru Konno

混合ダブルスの世界ランキング2位の張本智和と早田ひなのペア

いったんエントリーを取りやめた日本と、中国選手の引き揚げ。結局、ITTFが同大会に世界ランキングを与えることで決着か

これほどの騒動になるとは日本卓球協会の強化本部、現場の監督、幹部の人たちは想像していなかっただろう。12月4日から10日まで中国の成都市で開催されるITTF混合団体ワールドカップを巡り、卓球界は混乱を極めている。

 ことの発端は8月26日まで遡る。そこから時系列で追いかけてみよう。

 8月26日

 ITTFが、中国の成都市とITTF混合団体ワールドカップ開催の調印をしたことを、電撃的に発表。5年契約で、第1回大会は2023年12月4日から。発表から3カ月半後の開催と準備期間は短かった。

 10月25日

 日本卓球協会(JTTA)がITTF(国際卓球連盟)にITTF混合団体ワールドカップにエントリーをしない旨を通達。「男女3名ずつの選手が必要で、女子2名だけが参加に応じてくれたが、打診した十数名の選手が参加に応じなかった」(宮﨑義仁専務理事)。

 その日の夜にJTTAの宮﨑専務理事は通訳を介して、主管団体である中国卓球協会に同大会への不参加の理由を伝えた。中国卓球協会は「それならば中国側も相応の対応を取る」とし、日本のTリーグに参加している中国選手を引き揚げさせる旨を伝えた。

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