【逆襲の30s】 30代の底力「年齢なんて関係ないぜ!」後編
卓球王国2024年2月号掲載
卓球を愛する男たちの根底にあるのは「青森山田スピリット」
かつて日本では30歳を手前にトップ選手は「現役引退」をしていた。
しかし、2000年以降、卓球を生業とするプロ選手が増えてきて選手寿命は確実に伸びている。
その中でも今回取り上げた4人の30sは長く卓球界で活躍するだけでなく、今でも高いレベルを見せている。
20代ではできなかった卓球が30代になってできることもあるだろう。
そしてもっとも重要なのは彼らが「卓球を愛している心」を持ち続けていることだろう。
写真=中川学 photographs by Manabu Nakagawa
interview by
「時代が大矢さんに追いついてきましたね(笑)」(松平賢二)
●ー最近の若い選手を見ると、みな同じようなスタイルに見える。でもこの4人は非常に個性的で、4人ともスタイルが違う。今の若い選手に対してどのように戦っているんだろう?
健太 すべての若い人に対してではないけど、基本、チキータを封じれば、その後の展開は有利になります。結局、サービスを散らしたりすれば(強いボールは)入らなくなるし、自信がなくなればさらにチキータをバンバンしてくる。そのチキータを外せば、完全に優位に立てます。
張本(智和)、戸上(隼輔)、篠塚(大登)、田中(佑汰)とか若いけど上に行っている人はストップもチキータも両方できますが、そうでない若い選手はチキータに頼りすぎているから、フォアでレシーブさせたら有利になります。ラリーになったらぼくより上だし、ボールの威力もぼくよりはあると思うけど、チキータに頼りすぎている人が多い。
卓 意外とロングサービスが前の倍くらい効いている。昔はロングサービスを出すと回り込まれて一発で決められていたけど、今はチキータでレシーブを待っているからミドルくらいまで体が入っている。しかも、こっちは何回も出しているのに、変えようとしない。同じことを繰り返している。
大矢 ぼくはロングサービスしか出せない(笑)。