呉光憲の申裕斌への手紙「申裕斌だったらできるよ。申裕斌らしくプレーすればいいよ」。彼はパリに爪痕を残し代表チームを去った
今枝一郎「試合の前の乱打や、選手の表情を見て、 『今日はどうなのか』と観察する」
試合を変える「1分間」のアドバイス
卓球王国2023年5月号掲載
指導者になりたてのころの「否定的なアドバイス」から
選手が自分の意志で戦い方を変える「共感のアドバイス」に変わった。
今枝一郎が「大事な1分間」を語る。
否定的なアドバイスではなく、選手を乗せていく言葉を使う。
若い時には、選手たちに「なんでこんなふうにやれないんだ」「これが正しいんだ、こっちはダメだ」と決めつけながらベンチでアドバイスをしていました。ところが、経験を積んで、アドバイスの仕方も変わってきました。今は試合中の悪いところも受け入れて、試合として最後に勝ち切るように工夫をしています。中高生を対象に20年以上ベンチに入っていますが、彼らはまだ大人ではないので、私自身も彼らと一緒に学んでいるのです。「決して自分が正しいと思うな。答えはひとつじゃない」と思ってベンチに座っています。
選手が相手に向かっていく立場の選手なら調子が出るアドバイスをするし、チャンピオンを狙う選手ならば勝たないといけないという使命を持っているので、最後の一本を取って勝って戻ってくるための戦術的なアドバイスが多くなります。