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全日本卓球[隼の眼]歴史に残る死闘。世界選手権の決勝のようなハイレベルな決勝と、張本の変身

卓球王国2024年4月号掲載

Jun’s Eye to ALL JAPAN 全日本を斬る[水谷隼]

みずたに・じゅん 東京五輪金メダリスト・全日本選手権10回優勝

Text by

水谷隼jun Mizutani

全日本卓球で球史に残る戦いを見せた張本智和対戸上隼輔の決勝

5ゲーム目の10-9で出した張本のロングサービス。「今までの張本と違う」と感じた

 まずはテレビでも解説した、男子シングルス準決勝の張本智和対篠塚大登の試合に触れておく。

 お互いが良いプレーをしていたのだが、篠塚の敗因はロングサービスが効かなかったことだろう。他の選手に対しては彼のロングサービスの得点率は8割ほどあるのに、この準決勝の張本に対しては2割程度しかなかった。それでも最初から最後まで使い続けたのだが、点数が取れなかったし、サービスミスも3本ほどあった。

 篠塚は自分のサービスからの戦術に自信を持っている選手で、よく考えているなというサービスの組み合わせや戦術を用いるのだが、篠塚よりもクレバーな選手と対した時には難しいなと感じさせる試合だった。とは言え、張本は戦術面で上回っていると言うよりも、単純に技術レベルが相当に高いところに行っているので、篠塚は戦い方で少し劣るというよりも、2歩くらい後ろを歩いているように見えた。

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