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全日本優勝インタビュー 早田ひな「本当に自分の実力を出して勝負できるのかを試されているような試合でした」前編

卓球王国2024年4月号掲載

2年間の選考レースが自分自身を何倍も何十倍も強くしてくれました。技術としての進化もそうだし、メンタル的な部分もそうです。体力、そして人間力の部分もそうです。

圧勝と言っていいだろう。全日本優勝は早田ひなにとっての到達点ではなく、夏のパリ五輪に向けての通過点だった。
しかも、1年前の優勝とは違う強さ。パワーと安定を備えたさらなる進化形を見せている。高みを目指す早田ひなは何を語るのだろうか。

Interview by

今野昇Noboru Konno

写真=奈良武 photographs by Takeshi Nara

2年間のすべての選考レースが終わって、パリだけに集中するモードに入ってきた感じです

 女子シングルス全6試合で失ったゲームは1ゲームのみ。攻めて良し、守って良し、カウンターは的確。そのプレーからは「相手が見えている余裕」さえ感じられる。

 昨年11月のパリ五輪代表選考会の時にはハイリスクなプレーをテーマにしていた。その後のWTT女子ファイナルズでの中国選手に対する戦いでは、パリ五輪を見据えた「対中国」のプレーを見せた。見るたびに、そこには新たな早田ひなの「試合のテーマ」があり、今回は攻撃の決定率を高めながら、隙のない守りを見せた

 その象徴的な戦いが決勝の張本美和(木下アカデミー)戦だったかもしれない。「11月の選考会であなたに負けた早田は違う人だから」とでも言っているかのようなプレーで、若くて果敢な挑戦者を退けた

 早田ひなの卓球はどこまで進化していくのか。笑顔を交えながら、語る言葉は求道者のそれだった。

♦♦♦

●─優勝から少し経ちましたが、今回の全日本を現在どう感じていますか?

早田 いよいよパリに向けてのスタートラインについた感じですね。2年間のすべての選考レースが終わって、パリだけに集中するモードに入ってきた感じです。

●─シングルスを振り返ってみると、6回戦の芝田沙季(ミキハウス)戦で1ゲームを落としたのみで、その他はほぼ完勝でした。大会での仕上がり、コンディションは完璧でしたか?

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