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Tリーグを語ろうか。観客がより楽しめるTリーグを作るために

卓球王国2024年6月号より

6シーズン目が終了したTリーグ。プレーオフは大盛況だった反面、
シーズン中は観客がまばらな試合もあった。観客がより楽しみ、
「また見に行きたい」と思えるTリーグを作るためにはどうすれば良いのだろうか。

Text by
中野 正隆Masataka Nakano
photographs by
中川 学Manabu Nakagawa

ファンを減らさないためにも
最低限解決すべき2つの問題点

 「試合はおもしろい。けど…」。これが多くの観客のTリーグに対するリアルな反応だ。世界トップレベルの試合を観られる満足感はありながらも、より楽しく観戦するための改善点もまだまだある。

 まず最低限解決するべきなのは、Tリーグ公式サイトと公式グッズについての問題だろう。試合当日になると公式サイトのサーバーが落ちて、ライブスコアが見られなくなることが何度かある。ライブスコアは会場にいけない人が試合の経過を知るひとつの手段なのに、それが見られないと試合から置いてけぼりになってしまう。完璧に対策するのは難しいかもしれないが、せめて試合中は落ちないように対策する必要があるのではないか。

 また、グッズ問題も深刻だろう。「シーズン開幕時にグッズが揃わない」、「推し選手のタオルが出ない」、これも毎シーズン問題とされていることながら、いまだに完全に改善されてはいない。そのため、中には自分でタオルを自作して応援する観客もいるという。

 試合を楽しむためにも、せめて主力選手のグッズくらいは開幕時から全チーム分、常に買える状態であってほしい。「会場に応援に行ったのに好きな選手のグッズがない」。それではあまりにも残念だ。

推しタオルを掲げての応援も楽しみ方のひとつ。声を出さなくても選手へ思いが伝わる

多くの人に足を運んでもらうために
応援団やイベントの活発化を

先に述べた2点以外にも、観客からは多くの改善点が挙げられているし、私自身メディアとして、そして観客としてTリーグを見て感じることも多くある。特に、「全チームに応援団があればいいな」というのは常に感じている。

 応援団があるチームは、そうでないチームに比べるとやはり応援の一体感が違う。応援をすると選手と一緒に戦っている気分になるし、応援が楽しければ、それだけで会場に足を運ぶ要因になり、「チーム愛」も生まれる。

 全員がそうとは限らないが、せっかく会場に来て応援するのなら、ホーム・アウェー関係なくみんなで一緒に応援したいし、それがスポーツ観戦のだ。各チームに応援団があったら、もっと楽しく試合を観戦できるだろう。

 そして何よりも、チームを好きになってもらう取り組みがもっとあればうれしい。試合前のイベントや、試合後のサイン会や出口でのハイタッチなど、やり方はさまざま。もちろんすでに行っているチームもあるが、全チームがより活発にイベントを行うようになれば、初めてTリーグを見に来た人も、「また来よう」と思えるのではないのか。

 改善点も多くあるTリーグだが、試合自体は間違いなくおもしろい。観客の声を無視するのではなく、耳を傾けながらひとつずつ問題を解決していくことで、より楽しめる、の世界最高峰の卓球リーグを目指してほしい。

静岡ジェードの試合後のファンサービスの様子。選手と交流できる時間は、観客にとって大きな楽しみだ

これが生の声!ファンが語る
Tリーグの魅力と改善点とは?

Tリーグを観戦するファンの方々に、Tリーグについて率直な意見を聞き込み調査。肯定的な意見がある一方で、Tリーグをより良くするための改善点も多く挙げられた。

 

まだまだ改善点もたくさん

チーム数が増えたおかげで試合もさらにおもしろくなり、見る意味のあるリーグになってきた感じがします。 

 一方、五輪選考がんでしまったり、プレーをするMCがあったりしたのが残念。試合が配信されない時があったり、SNSの使い方が下手だったり、公式サイトが落ちたり、改善点はたくさんあります。運営はそういう部分にもっと予算を使うべきだと思います。(30代・男性)

試合を盛り上げてくれるMCも大切な存在だが、行きすぎたMCは選手のプレーを妨げる

手軽に試合が見られるのが良い!

 私が学生の頃とは違い、Tリーグができたことで、配信で手軽にトップ選手の試合が観られるようになったのは良い点だと思います。サポーターという形で、チームを支えている感覚を得ることができるのも良いですね。

 男女混合のオールスター対決など、イベント性のある試合があってもおもしろいと思う。また、いろんな場所で試合を開催することで、ファンが増えればいいなと思います。(30代・男性)

 

アナログな方法も必要かも?

 森薗政崇選手が好きで、静岡ジェードの試合は全試合観戦に行きました。選手がファンとフランクに接してくれるのが良いですね。ファンクラブへの入会やチケット購入は年配の方のためにネットだけでなく、アナログな方法もあったほうが良いかなと思います。

 また、試合で審判からの注意や点数がったりした時には説明があったほうが、卓球を知らない人にも分かりやすいと思います。(50代・女性)

 

Tリーグの新しい試みに期待

 私は木下のファンですが、横断幕を作って応援するのが楽しみのひとつです。ホーム戦はかなり盛り上がり、魅力的な選手ばかりです。ただ、木下には応援団がなく、アウェーになると応援の一体感がなくなってしまうのが少ししいですね。 

 また、しタオルも限られた選手のものしか発売されていないのが残念。Tリーグの本体には、グッズの改善や新しい試みに挑戦してほしいです。(40代・女性)

 

会場でもグッズの販売は行われているが、やはりもう少し種類が欲しい

配信でも会場にいる気分になれる!

 私は地方に住んでいて、基本的には配信で観戦をしていますが、「#Tのエール」でポストすると、コメントを読み上げてくれるので自分も一緒に試合に参加している気分になれます。配信ではハーフタイムに試合のハイライトが流れるため、会場でのパフォーマンスが見られないことが多いです。配信でハーフタイムのパフォーマンスも見られるようになったらいいなと思います。(40代・女性)

 

お客さんを引き込む工夫がほしい

 私は卓球未経験者で、卓球は地味なイメージがあったけどTリーグのかっこいい演出を見てイメージが変わりました。初めて試合を見た時に「Tリーグ熱いな」と感じましたね。試合はすごくおもしろいけど、グッズの販売が遅れたり、数自体が少なかったりすることがあるので、Tリーグ本体がもう少しお客さんを引き込むように工夫する必要はあるのかなと思います。(20代・女性)

 

全球団に応援団があると良い!

 トップ選手の試合を間近で見ることができるのがTリーグの一番の魅力かなと思います。

 また、全日本などと違い、Tリーグは1台進行なので、集中して試合を見ることができるのも良いところですね。男子セミファイナルで琉球を応援していましたが、岡山の応援のがすごかった。やっぱり、応援の力はすごく感じます。全球団に応援団があれば、もっとTリーグが盛り上がるのではないかと思います。(30代・女性)

 

チームを好きになるイベントを!

 同じチームのファン同士で応援できるのはTリーグの魅力のひとつ。ひとりで応援するのは恥ずかしいけど、みんなが応援していると、自然と自分も声が出て一体感が生まれます。各チームに応援を仕切ってくれる人がいるとありがたいです。

 ただ、まだチームよりも選手個人を応援しに来ている観客が多いので、チームを好きになれるようなイベントがあったらと思います。(20代・女性)

試合前には選手との交流イベントを行うチームもある

公式サイトを改善してほしい

 会場で相手チームと応援合戦をするのが楽しいし、選手も応援席に向かってガッツポーズをしてくれるので一緒に戦っている感じがあります。ただ、チームの戦力がっていたり、学生の選手がたくさん出てくるのはあまり良いことではないのかなと思います。

 また、会場に行けない時はライブスコアで試合の状況を確認したりしますが、たまに公式サイトが落ちていることがあるので、そこを改善してほしいです。(20代・男性)