いざ、パリへ 戸上隼輔「オリンピックの魔物になりたい」前編
卓球王国2024年7月号掲載
戸上隼輔は2022年1月の全日本選手権で、衝撃的な攻撃卓球で初優勝を飾った。五輪代表選考会でも上位に入り続け、パリ五輪代表候補に名乗りをあげた。ところが、昨年2023年5月から体調を崩し、五輪代表に黄信号が点滅したもののその苦しい時期を見事乗り越え、ようやくつかんだパリ五輪の切符。超攻撃卓球がパリの五輪の舞台で炸裂し、世界中の人を驚かす日も近い。パリに向けての目標と決意。戸上隼輔は何を語るのか。
Interview by
今野昇Noboru Konno
とがみ・しゅんすけ[井村屋グループ]
2001年8月24日生まれ、三重県出身。全日本ホープス2位。中学2年で野田学園に転校し、高校2・3年のインターハイで2連覇。高校3年の全日本選手権で3位に入賞、全日本選手権では22年から2連勝を飾った。4月のワールドカップではベスト8。2021年世界選手権ヒューストン大会男子ダブルス、2022年世界選手権団体で銅メダルを獲得。世界ランキング21位(5月10日現在)。井村屋グループ所属
「戸上がいないと日本はダメだ”と思われるくらいにならなければいけない」
体調不良で自分のプレーもできずに、プレッシャーに押しつぶされそうになった時期があったのも事実です。今はそういうプレッシャーを楽しめるようになった
2021年夏に開催された東京五輪。
混合ダブルスでの金メダル、女子団体、男子団体、女子シングルスのメダル獲得に日本は沸いた。しかし、その後、男子では水谷隼と丹羽孝希が日本代表から去っていく。絶対的エースの張本智和を追いかけ、日本代表の中核に入ってくる選手を東京五輪直後に予想するのは難しかった。