蝶を撃つ『ジェネクション』。なぜ今年『ジェネクション』なのか。
別冊卓球王国2024掲載
卓球ラバーの市場が微妙に変化している。
2023年初頭まで1位に君臨していた『ファスターク G-1』が2位、もしくは3位に落ち、
『ロゼナ』『グレイザー』『テナジー』『ディグニクス』というバタフライ(蝶)がラバー売上ランキング(卓球王国)のトップ10を舞っている。
しかも、市場価格9千円を越す『ディグニクス』が上位に入るというのは新しい現象だ。
そんな中、2024年に華麗に漂う蝶を狙い撃つのはニッタクの『ジェネクション』だ。
2024年の卓球市場でのもっとも熱いギアだ。
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写真=江藤義典
カウンタードライブのやりやすさと抜群の操作性。満を持して市場に登場するハイエンドラバー
古くからボールメーカーとしてのネットワーク、ラージボールなどのシニア層での絶対的な強さで、ニッタクは、バタフライとは一線を画している。
2010年7月に発売された『ファスタークG-1』(以下G-1)は発売後からジワジワと売れていた。ニッタクの営業力をもってすれば、ユーザーの反応が良ければ相当に売れるのはわかっていたはずだ。ただし、すべてのラバーが売れるわけではなく、20年の『ズィーガーPK50』のように市場にマッチしないと空振りに終わることもある。
15年2月に『テナジー』がオープン価格になり、3000円近く値上げした時に、『G︱1』は一気に市場の主役に躍り出た。伏線として、14年1月の全日本選手権で石川佳純が『G︱1』を使用して優勝している。それまでの卓球王国WEB用具売上ランキングでも『G︱1』は7~8位だったが、15年3月にいきなり2位に上がり、同年4月にはついに1位になった。発売から5年目にして売上王者の位置につけた。
それは15年の『テナジー』の値上げによって、『テナジー離れ』した人が、テナジーの代用品としてドイツのテンションラバーに注目し、そのニーズが一気に高まったからだろう。