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[グッズストーリー高島規郎]90年前に作られ、「Mr.カットマン」を育てた「銅」のラケット

別冊卓球グッズ2024掲載

Text by

今野昇Noboru Konno

「おれが天国まで持っていくんだ。だからおれが死んだら棺桶に入れてくれ。これは遺言だ。忘れるな」

 そのラケットには卓球の神が宿っていたのか。

 1970年代初頭の日本の卓球界。当時、長谷川信彦(1967年世界チャンピオン)と伊藤繁雄(1969年世界チャンピオン)という二人の元世界チャンピオンを倒さなければ日本の頂点には立てず、世界への扉を開くことはできなかった。

 特に長谷川のドライブは特別なもので、高校3年の高島規郎が全日本合宿で練習した時に強烈な洗礼を浴びた。「カットをしたら、長谷川さんのボールが速すぎて、かすりもしなかった。返せなくて球拾いばかりだったが、長谷川さんは1球目からフルスイングで1本もゆるめなかった」(高島)。当時の高島には、のちに「Mr.カットマン」と言われるような守備力はまだなかった。

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