Top of Asia 張本智和『優勝を意識しなくていいからと言ってもらえて、その言葉に救われました』
舟山真弘:パラ選手としていち学生選手として、ひたむきに邁進する若武者
パリパラ代表ファイル●VOL.1 舟山真弘
卓球王国2024年7月号掲載
世界ランキング枠(2024年4月1日発表)による「パリ2024パラリンピック」シングルス出場資格を獲得した舟山真弘(クラス10)。
8月末のパラリンピックを20歳で迎える若武者は、早稲田大で健常の強豪選手たちと切磋琢磨しながら、高みを目指している。
Text by
高部大幹Hiromoto Takabe
高校2年で第一人者を下し鮮烈デビュー。パリパラへの道がスタートした
2021年の国際クラス別パラ選手権(現・全日本パラ)、クラス9決勝。高校2年の若手が、第一人者の岩渕幸洋(協和キリン)と激しい打撃戦を繰り広げた末に、初優勝を果たした。会場にいた誰もが、パラ卓球界の新星誕生に驚き、その輝かしい未来を予感した瞬間だった。
それからわずか2年半。世界ランキング枠によりパリパラリンピック出場権を獲得した舟山真弘。現在、早稲田大2年の19歳。「憧れの岩渕さんに勝てたことは、ただただうれしい。これでパリパラへのスタートラインに立てた」と語ったデビュー当時と変わらぬひたむきさを維持しながら、着実な成長を続けている。
4歳で小児がんを患い大手術。左腕にラケットを握り文武両道で急成長
4歳で小児がんの一種である「右上腕骨骨肉腫」を患った舟山。手術と抗がん剤治療を受け、1年2カ月入院。利き腕だった右腕の肩関節と上腕骨を切除し、足の腓骨(ひこつ)の一部を移植した。
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