呉光憲の申裕斌への手紙「申裕斌だったらできるよ。申裕斌らしくプレーすればいいよ」。彼はパリに爪痕を残し代表チームを去った
決戦のパリへ。 張本美和[誇り高き日本女子の中軸として、パリでの飛躍を誓う]
「1年前や少し前の自分と比べれば、今のほうが(中国選手に)近づいているということは実感できています」
2024年8月号掲載
Text by
中川 学Manabu Nakagawa
写真=中川学 photographs by Manabu Nakagawa
「オリンピックの舞台に立つ時には、胸を張って戦えるように毎日成長していきたい」
パリ五輪代表選考という熾烈なレースで、 3人目の枠を手にしたのは、この1年で急成長を見せた張本美和。 最終コーナーでアクセルを緩めず、わずかなチャンスをものにした。 兄の智和とともに、パリの地で兄妹で頂を目指す。
2年間に及んだパリオリンピック日本代表候補の選考を経て、日本卓球協会が強化本部推薦として3人目となる女子団体戦代表候補に選んだのは、15歳の張本美和(木下グループ)だった。 発表当日の2月5日に所属先の木下グループ本社での会見に姿を見せた張本は、「びっくりしています。信じられない気持ちでいっぱいですが、選んでいただいたからには責任感を持って頑張りたい。オリンピックの舞台に立つ時には胸を張って戦えるように、毎日成長していきたいです」と力強くコメントした。 3人目の枠については張本と伊藤美誠(スターツ)のふたりが候補に挙がった。東京五輪で水谷隼と組んだ混合ダブルスの金メダルをはじめ、団体で銀メダル、シングルスで銅メダルと3つのメダルを獲得した伊藤美誠ではなく、五輪はおろか、世界卓球の出場経験がない張本を選んだ理由を、日本女子の渡辺武弘監督は次のように説明した。