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友野有理:無限の可能性に笑顔で挑むパラ卓球界のホープ

Another Story●VOL.35 友野有理 前編

卓球王国2019年8月号掲載(一部加筆)

世界ランキング枠(2024年4月1日発表)による「パリ2024パラリンピック」シングルス出場資格を獲得した友野有理(クラス8)。
東京大会に続き2大会連続でのパラリンピック出場となる。ここでは卓球王国2019年8月号で掲載した記事を紹介する。

Text by

高部大幹Hiromoto Takabe

 

友野有理(ともの・ゆり)[タマディック]
2000年5月1日生まれ、兵庫県出身。5歳から姉の影響で卓球を始め、全国大会に5度出場。小学5年時(11年)に脳梗塞で倒れ、右半身麻痺に。利き手を右から左に変え、中学2年時からパラの大会に出場を開始。16年国際クラス別パラ選手権優勝、17・18年準優勝、18年世界選手権6位、東京2020パラリンピック・女子シングルスC8ベスト8。19年4月から日本体育大に在籍(本記事掲載時在学)、23年4月に同大を卒業し、現在タマディック所属。クラス8、24年5月現在世界ランキング4位(本記事掲載19年6月時は13位)、左シェーク両面裏ソフト攻撃型

パラ卓球界期待の19歳。東京パラを目指し、新天地での挑戦がスタート

 今、大きく躍動している日本の「パラ卓球」こと肢体不自由者卓球。近年、多くの若手が台頭し、指導体制も変革、そして東京2020パラリンピックを控えて、全体が高いモチベーションと活気に満ちている。そんなパラ卓球界を象徴するようなエネルギッシュな若手のひとりが、友野有理、19歳だ(記事掲載の2019年6月時)。現在、クラス8(立位で中程度の障害)で世界ランキング13位(19年6月時)。
 今春、地元神戸市の高校を卒業し、単身で上京。日本体育大で寮生活をしながら健常者の部員とともに汗を流す。東京パラに向けて勝負の年となる今年、友野の新天地での挑戦がスタートした。

軽い気持ちで卓球をスタート。姉に負けじと、次第にのめり込んでいった小学生時代

 2000年5月1日、神戸市で生まれた友野。両親と3歳上の姉の4人家族で、神戸市で育った。
 卓球を始めたのは姉・稜子の影響だ。幼い頃から温泉卓球が大好きだった稜子を、父・博行は、知人から紹介してもらったクラブチームへ連れて行った。自然な流れで、妹の有理も5歳から同じクラブへと足を運ぶようになったのだ。
 軽い気持ちで卓球をスタートした姉妹だったが、通ったのは名門・小浜卓球クラブ。全国大会で活躍する強豪チームで、姉妹はいつしか卓球に没頭していく。特に生来の負けず嫌いの妹・有理は、部内リーグでも姉に全力で立ち向かっていった。「部内で兄弟対決は多かったけど、上がプレッシャーを受けて負けることが多いんですよ。私もそうでした(笑)」と稜子は当時を振り返る。
 姉に負けじと実力をつけていった友野。「最初は無理矢理姉に連れていかれたという感じだったけど、高学年になる頃にはかなりやる気が出てきた」。こうして、神戸で開催される全日本ホープス・カブ・バンビの部には毎年出場と、活躍を見せた。
 しかし、小学5年時の冬、突然、その出来事は起こった。

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