[アーカイブその4]馬龍、語る。「確かに世界選手権で優勝したことは階段を一段上がったことだけど、これは始まりでもある」
【伝説のプレーヤーたち】史上最速の強打者・角田啓輔 後編 「今、卓球をやるとしたら……やっぱり、打ち合うでしょうね」
The Legends 第7回 角田啓輔(1956・57年世界選手権団体優勝)
時にチームを勢いに乗せ、時にピンチを救い、
2大会に渡って、日本男子チームの世界団体優勝に貢献した角田啓輔。
個人戦では不思議なほど、優勝杯には縁がなかった。
しかし、その名は伝説の強打者として、
同時代を生きた人々のに刻まれている。
太く短く燃えた卓球人生に迫る。
Interview by
今野昇、柳澤太朗Noboru Konno、Taro Yanagisawa
田中さんとやると、普通の試合では返ってこないようなボールが返ってくる。
常に待たれている感じだった。
2歳年下で、大学では1学年先輩だった田中の印象を角田はこう語る。
「田中さんとやると、普通の試合では返ってこないようなボールが返ってくる。常に待たれている感じだった。私は馬鹿のひとつ覚えで、同じところばかり狙っていたけど、今考えてみると、それは結局あるコースにしか打てないように、田中さんに追い込まれていたのかもしれない」
昭和29年度全日本男子単決勝、角田 1−3 田中(14−21、19−21、21−19、19−21)
昭和30年度全日本男子単決勝、角田 2−3 田中(13−21、21−19、12−21、21−10、18−21)
昭和31年度全日本男子単決勝、角田 0−3 田中(19−21、18−21、11−21)
昭和29年度大会から、角田啓輔と田中利明は3年連続で全日本の決勝で対戦。そして角田の目の前で、田中はみたび天皇杯を掲(かか)げた。角田は一度も田中に勝つことができなかった。