呉光憲の申裕斌への手紙「申裕斌だったらできるよ。申裕斌らしくプレーすればいいよ」。彼はパリに爪痕を残し代表チームを去った
[卓球本悦楽主義11] 感動覚える格調高い真摯な文章。 国際式推進を唱える貴重な資料
〈卓球専門書の愉しい読み方11〉卓球王国2004年11月号掲載
Text by
伊藤条太Jota Ito
「 月刊 卓球公論」
■ [ 昭和八年十二月号 初村代四郎編集 卓球公論社] ※現在は絶版
感動覚える格調高い真摯な文章。国際式推進を唱える貴重な資料
昭和初期の卓球界を知ることのできる極めて貴重な資料である。発行は大阪の卓球公論社であり、初村代四郎なる人物が編集人兼発行人を務めている。
本誌は、ひとつの明確な主張に貫かれている。それは国際式(硬式)の推進である。当時の日本では、卓球と言えば日本式とよばれる軟式が主流であり、硬式はまだ一般的ではなかった。このような状況のもと、卓球公論社は、社をあげて国際式の導入を叫んでおり、雑誌のほとんどすべてのページをその主張に費やしている。