モーレゴード ザ・ファンタジスタ〈前編〉岸川聖也が分析するモーレゴードの5つのストロングポイント
世界ジュニアで2回準優勝、17歳時にはTリーグにも参戦したトゥルルス・モーレゴード。
ファンタスティックなプレーで早くから注目されたスウェーデンのホープは、
21年世界選手権で一気に決勝進出を果たし、世界中を驚かせた。
その後も世界ランキングでトップ10を維持し、中国選手が最も恐れる選手のひとりとなっている。
観る者を驚かせ、ワクワクさせるトリッキーなプレーは、まさにファンタジスタ。
その多彩なプレーを、Tリーグ時代にチームメイトだった岸川聖也氏が分析し、スウェーデンリーグで戦った上江州光志が語る。
(卓球王国2023年7月号掲載)
スウェーデンの伝統が生んだ創造性。支えるのは総合的技術力
Tリーグの2ndシーズン(2019-2020)にT.T彩たまに所属していたモーレゴード。
当時、チームメイトとしてともに戦い、練習も行ったという岸川聖也氏に、
モーレゴードの何がすごいのか、そしてどこが成長したのかを語ってもらった。
私(岸川)がモーレゴードのプレーを初めて生で見たのは、彼がTリーグに参戦した時(当時17歳)でした。今より体の線が細く、技術も途上段階ではあったものの、才能があるのはすぐに分かりました。
彼が他のトップ選手と大きく違うのは「型がない」という点。ふつうの人がやらないプレーを平気でやるので、見ていておもしろい。これは多くの人が感じることでしょう。
しかし、ただトリッキーなだけでは、やりにくさはあってもトップでは勝ちきれない。モーレゴードは、卓球におけるベースとなる技術すべてのレベルが高いからこそ、創造的なプレーが成り立つのです。