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[卓球本悦楽主義13] 技術的には隙のない内容だが卓球指導書の中でも異色の一冊

〈卓球専門書の愉しい読み方13〉卓球王国2005年1月号掲載

Text by

伊藤条太Jota Ito

「 卓球 基本技術と実戦テクニック」 

■ 河野 満・著[昭和五七年 ナツメ社]  ※現在は絶版

技術的には隙のない内容だが、卓球指導書の中でも異色の一冊

 1977年バーミンガム大会で世界チャンピオンとなった河野満の卓球技術書である。そのペンホルダー表ソフトによる両ハンドの前陣速攻は、世界卓球史に残る独創的なスタイルであり、現在もその後継者は見当たらない。 
 現役引退後は、監督として母校青森商業をインターハイ優勝に導き(昭和57年)、現在は青森大学で日本の世界王座奪回を目指して指導にあたっている。

 本書は、荻村伊智朗の薫陶(くんとう)を受けた河野らしく、技術的には一分の隙(すき)もない模範的な内容になっている。しかし、本質的ではない部分、つまり写真とイラストがなんとも可笑(おか)しいものになっているのだ。このあたり、いったいどういう事情なのかはわからないが、数ある本の中でも異色の卓球指導書となっている。

77年世界選手権バーミンガム大会で優勝した著者の河野満

 グリップやフォームを紹介する時に「良い例」と比較して「悪い例」をあげるのは指導書によくあることだが、ここにあげられている例が悪すぎるのだ。

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