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「神様が次に金を取るために銀と銅で終わらせ、試練を与えているのかな」。そして、早田の次への約束

文=鱸正人(日本経済新聞運動グループ記者)text by SUZUKI Masato

(卓球王国2024年10月号別冊『パリ五輪 卓球特集号』掲載)

早田は女子シングルスの準々決勝のあと、左手を強く締め付けるようにテーピングを巻いてプレーした

 32ある五輪競技の中で、卓球のようにひとりの選手がほぼ毎日登場する競技は多くない。混合ダブルス1回戦から女子団体決勝まで15日間で計11試合。熱戦を終えた早田ひなは、ジェットコースターのように過ぎたであろう初の五輪をこう振り返っている。「負けて悔しい気持ちはあるけど、やりきれた」。

 私は期間中、体操やバスケットボール、陸上なども取材した。日本が最終種目の鉄棒で逆転して金メダルをつかんだ体操男子団体、終了間際に劇的シュートを決められた末に敗れた男子バスケ──。数々の「まさか」を目撃したが、卓球もまた信じられないプレーやドラマの連続だった。

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