呉光憲の申裕斌への手紙「申裕斌だったらできるよ。申裕斌らしくプレーすればいいよ」。彼はパリに爪痕を残し代表チームを去った
【メンタルってなんやねん!】試合中の故障やケガ、ラケット事故は起こり得る。さあ、どうする?
卓球のメンタルって「なんやねん」
卓球王国2024年10月号掲載
Text by
岡澤祥訓Yoshinori Okazawa
●メンタルトレーナー 岡澤祥訓(おかざわ・よしのり)
奈良教育大名誉教授。卓球の日本代表、プロ野球、柔道などの競技でメンタルトレーナーを務めている
故障を克服して銅メダルを獲得した早田さん。彼女に棄権するという選択肢はなかっただろう
世界選手権やオリンピックという大きな舞台では予測できないさまざまなことが起きます。
パリ五輪の卓球中継を見ていて、早田ひなさんが左腕を傷めているのを知りました。銅メダル決定戦の時に痛み止めの注射を打ってプレーしていたとテレビから聞こえてきました。
思った以上にダメージを受けている様子でした。急に傷めたのか、以前から傷めていたのかはわかりません。急に傷めてしまったら、傷めた試合で、カバーしながらプレーをしたのでしょう。
オリンピックという舞台では、彼女の中に「棄権する」という選択肢はなかったのでしょう。コーチが止めたり、ドクターが止めたりすることはあるかもしれませんが、彼女自ら棄権するという選択肢はなかった。ドクターが痛み止めの注射を試合の5分前に打ったとテレビのインタビューでも話していました。