Top of Asia 張本美和・後編 『私は勝っても負けても、しっかり相手の顔を見て握手するようにしているんです』
真説 卓球おもしろ物語4【国際卓球連盟誕生 〜卓球が消えたとされる年に、大富豪の家に生まれた男】
〈その4〉卓球王国2020年10月号掲載
Text by
伊藤条太Jota Ito
『マンガで読む卓球ものがたり』の原作を担当している伊藤条太氏が、卓球の歴史をユーモラスに案内。今回は、国際卓球連盟が誕生するまでの秘話を紹介。卓球発展のキーマンとなるアイボア・モンタギューという人物とは……。
●参考文献:「TABLE TENNIS COLLECTOR」 ITTF「TABLE TENNIS THE EARLY YEARS」 GERALD N. GURNEY
卓球が消えたとされる年に、大富豪の家に生まれた男
イギリス・ロンドンで卓球が大ブームになったのは1900年で、その翌年にはテーブルテニス協会とピンポン協会ができている。ところがそれから国際卓球連盟ができるまで実に25年もかかっている。その間、卓球は世界中で親しまれていたのだが、本国イギリスでは1904年に突然ブームが下火になり、大会も行われなくなって協会も活動しなくなった。ラバーの登場によってプレーが複雑になったとか、協会が二つあってルールが統一されていなかったなどの理由が挙(あ)げられているが、はっきりしたことはわかっていない。ブームがあまりに熱狂的だったための反動だったのかもしれない。
のちに卓球を近代スポーツとして発展させていくことになる男、アイボア・モンタギューは、奇(く)しくも卓球が消えたとされる1904年に生まれた。
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