呉光憲の申裕斌への手紙「申裕斌だったらできるよ。申裕斌らしくプレーすればいいよ」。彼はパリに爪痕を残し代表チームを去った
[ワルドナー伝説]vol.5 達人への道
『100年にひとりの天才』と称された、ワルドナー(スウェーデン)の半生に迫った書籍『ワルドナー伝説』(卓球王国刊・絶版)。人気を博した1冊を卓球王国PLUSでプレイバック
Text by
イエンス・フェリッカJens Fellke
Translation by
今野昇Noboru Konno
Cover Photo by
高橋和幸Kazuyuki Takahashi
第2章 達人への道
From Mascot to Master
第1章 キングオブ・テーブルテニス はコチラ→ 第1章 vol.1 卓球王のプロローグ
1 マスコットから達人へ
■ 「誰からも教わってないよ」と6歳のワルドナーは答えた
97年5月、マンチェスターのG-MEX体育館。その日、ひとりのプレーヤーに対する称賛の拍手が鳴りやまず、歓声が会場を揺らしていた。それは世界選手権の決勝で、ヤン-オベ・ワルドナーがベラルーシのブラディミル・サムソノフを倒した瞬間だった。
ワルドナーはその瞬間に世界の卓球シーンを感動という名のパンチでノックアウトしたのだが、同時に自分も優勝した瞬間に床に倒れ込み、横たわってしまった。彼自身に対して、重く大きな時間が覆いかぶさったかのように……。
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