呉光憲の申裕斌への手紙「申裕斌だったらできるよ。申裕斌らしくプレーすればいいよ」。彼はパリに爪痕を残し代表チームを去った
[ワルドナー伝説]vol.6 恐るべきボール感覚
『100年にひとりの天才』と称された、ワルドナー(スウェーデン)の半生に迫った書籍『ワルドナー伝説』(卓球王国刊・絶版)。人気を博した1冊を卓球王国PLUSでプレイバック
Text by
イエンス・フェリッカJens Fellke
Translation by
今野昇Noboru Konno
Cover Photo by
高橋和幸Kazuyuki Takahashi
第2章 達人への道
From Mascot to Master
2 恐るべきボール感覚
■『スパルバーゲン』の新練習場での意欲的な練習で、有望な若手が育っていった
卓球を始めた頃から、ヤン-オベ・ワルドナーの卓球に対する理解というのは、彼自身の年齢よりもずっと大人びたものだった。
74年に『スパルバーゲン』クラブは待望の新しい練習場を手に入れた。古い映画館だったところに卓球台を8台置ける卓球専用の練習場を建て、選手が練習したい時にはいつでもできるようになった。
今までよりも会員が自由に使えるスペースが確保でき、様々な年代の人が、より一生懸命練習に励むようになっていった。ワルドナー兄弟にとっても、この状況はお互いの競争心をかき立て、同じ年代の子どもたちとコミュニケーションを深めるのに役に立った。
『スパルバーゲン』ではとても熱心なクラブ運営が行われようとしていた。1週間のうち3回の夜の練習は、ライセンスを持ったコーチに指導してもらえるようにした。学校が長期の休みの時には合宿を企画したり、子どもたちがトーナメントに出場できるような機会を多く作った。まもなくこのクラブには、意欲的に練習し、競い合っていく素地ができ、若くて有望な選手が国内のそれぞれのカテゴリーで活躍するようになる。
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