呉光憲の申裕斌への手紙「申裕斌だったらできるよ。申裕斌らしくプレーすればいいよ」。彼はパリに爪痕を残し代表チームを去った
[特集・石川佳純]「今年の優勝は勢いと若さで取ったもの。もし、このまま来年も同じようにやったら絶対優勝できない」2011年
卓球王国2011年4月号掲載
このインタビューは2011年1月の全日本選手権初優勝のときのもの。
可憐な少女の笑顔と勝負師としての厳しい表情が同居する17歳の女王の誕生だった。
本物の強さを見せつけて全日本の覇者となった石川佳純は、大会後の2月の世界ランキングでは8位に躍進した。
激戦と感動の全日本選手権を彼女自身が振り返る。
写真=高橋和幸・江藤義典
Interview by
今野昇Noboru Konno
「今年の優勝は勢いと若さで取ったもの。もし、このまま来年も同じようにやったら絶対優勝できない。自信にはなったけど、満足はしてない」
今までたくさんのジュニア、シニアの試合に出て、技術的にも精神的にも成長できた
2011年1月22日の午後3時45分。東京体育館の天井に向けて両手を突き出した石川佳純。それは若き女王の誕生の瞬間だった。
誕生日を2月に控えた17歳の女子高校生は、64年前の昭和11年から始まった全日本選手権において31人目のチャンピオンとなった。それは勢いに任せた優勝でなく、すでに世界のトップランカーに名を連ねる実力者の鮮烈なアピールだった。
彼女が急激に力をつけている予兆は12月の世界ジュニア選手権からあった。しかし、全日本選手権での優勝とその戦いぶりで、石川佳純の実力が本物であることを、卓球関係者も選手たちも実感した。4年前に中学2年でベスト4に入り、卓球ファンを驚かせた卓球アイドルの、アスリートへの変貌。それは、成功のシナリオ――第一章の始まりかもしれない。
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