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[ワルドナー伝説]vol.9 プロの道を選んだワルドナー 

『100年にひとりの天才』と称された、ワルドナー(スウェーデン)の半生に迫った書籍『ワルドナー伝説』(卓球王国刊・絶版)。人気を博した1冊を卓球王国PLUSでプレイバック

Text by

イエンス・フェリッカJens Fellke

第2章 達人への道

From Mascot to Master

第2章 達人への道  4 センセーショナルな16歳

5 プロの道を選んだワルドナー

83年世界選手権東京大会でのワルドナー

■ヨーロッパトップ12のある晩、ワルドナーとリンドの「勝負」は延々と続けられていた

 ブラティスラバ(スロバキア)のホテルにて。

 84年2月に行われたヨーロッパトップ12のある晩、スウェーデンのナショナルチームの男子監督、トーマス・バーナーは重い疲労感に襲われていた。その理由は、大会に連れてきた二人の選手——ワルドナー(18歳)とリンド(19歳)がカード(トランプ)をやめようとしなかったからだ。

 「ベッドに入らなきゃだめだよ」とバーナーは彼らに叫んだ。

 カード遊びがそれでも続いたのは、壁を通して、隣の部屋から二人の声が聞こえてくることでわかっていた。バーナーは彼らが一組のトランプしか持っていなかったのを知っていて、部屋に入って行って、それを取り上げた。

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