呉光憲の申裕斌への手紙「申裕斌だったらできるよ。申裕斌らしくプレーすればいいよ」。彼はパリに爪痕を残し代表チームを去った
[ワルドナー伝説]vol.10 ドイツでのプロ生活
『100年にひとりの天才』と称された、ワルドナー(スウェーデン)の半生に迫った書籍『ワルドナー伝説』(卓球王国刊・絶版)。人気を博した1冊を卓球王国PLUSでプレイバック
Text by
イエンス・フェリッカJens Fellke
第2章 達人への道
From Mascot to Master
6 ドイツでのプロ生活
■83年のSOCの優勝は、将来に向けたシグナルだった
83年秋のワールドカップに、スウェーデンからは3人が出場し、アペルグレンが決勝でワルドナーを破り、スウェーデン人としては初めてのチャンピオンになった。リンドも3位に入った。中国から江加良と蔡振華が出場したが、二人は準々決勝にも進めずに、敗退していた。
12月に行われたスカンジナビアオープン(SOC・のちのスウェーデンオープン)ではワルドナーが優勝をもぎ取った。世界ランクも8位に上がった。この時には準々決勝で范長茂(中国)、準決勝でセクレタン(フランス)、決勝で謝賽克(中国)を21−16、21−17、9−21、21−18のスコアで破り、優勝した。この決勝はスウェーデン国内に中継放送され、翌日には新聞で大きく取り上げられた。ジャーナリスト、ボビー・ビーストロムはこう書いた。
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