呉光憲の申裕斌への手紙「申裕斌だったらできるよ。申裕斌らしくプレーすればいいよ」。彼はパリに爪痕を残し代表チームを去った
[The Lefty ザ・サウスポー] 左利き選手が使う戦術「私は右のココを攻める」
「左利きの優位性」と「対左の戦術」vol.5(2022年1月号掲載)
卓球ほどトップ層の中でサウスポーの割合の多い競技はない。
サウスポーはダブルスで有利と言われ、回転の要素を含んだ速いラリーでサウスポーが優位に立つことも多い。
この特集ではサウスポーのトップ選手や、右利きのトップ選手と指導者に登場してもらい、卓球における「左利きの優位性」と「右利きの対サウスポー戦術」を解き明かしてみる。
左利きが使う戦術の裏返しが「サウスポー攻略」だ
10人に1人しかいない左利きだが、左が1人もいないチームも珍しくない。左に慣れていないために、「左を苦手」とする右の選手は多く、同時に「左を苦手にしているサウスポー」もいる。
左には共通した攻め方がある。そして共通して左が嫌がる攻められ方もある。左が用いる戦術と苦手な戦術を理解して、「サウスポー攻略」を考えてみよう。つまり右利きの読者は、左利きが右利きに対して用いる戦術を逆に考えれば、「サウスポー攻略」が見えてくる。
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早田ひな「シュートやカーブの曲げる系のドライブによって、より左の特徴を出すことができます」
早田ひな(全日本チャンピオン・五輪メダリスト)
小さい頃から左とやっているので慣れている部分があり、左に対して苦手意識はないです。指導者の方々の戦術の話や技術の説明は右の視点を基準とした話になりますが、私は頭の中で急いで左の感覚に置き換えて聞くように意識していました。