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[ワルドナー伝説]vol.12 世界タイトルへの足音

『100年にひとりの天才』と称された、ワルドナー(スウェーデン)の半生に迫った書籍『ワルドナー伝説』(卓球王国刊・絶版)。人気を博した1冊を卓球王国PLUSでプレイバック

Text by

イエンス・フェリッカJens Fellke

第2章 達人への道

From Mascot to Master

←vol.11 第2章 達人への道 7 85年。地元での重圧

 

8 世界タイトルへの足音

1987年世界選手権ニューデリー大会。シングルス決勝で江加良に敗れたワルドナー

■ニューデリー大会の団体決勝の欠場。個人戦での驚くべき復活

  87年の世界選手権ニューデリー大会の前に、4人の中国選手が世界ランキングのトップ4を占めた。それは江加良、陳龍燦、滕義、陳新華だった。ワルドナーは5位につけていた。

 世界選手権の団体決勝で、スウェーデンは83年と85年に2回連続で中国に敗れ、特に85年の時には2ゲームを奪っただけで、中国から1点も取ることができなかった。

 雪辱を期すはずだった87年ニューデリーでの世界選手権。

 スウェーデンは三たび決勝で中国と対戦したが、ワルドナーはベンチに座ることはなく、選手用ホテルの「アショカ・ホテル」のベッドの上に横たわり、40度を超える高熱をともなった腹痛と下痢に苦しんでいた。

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