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[緊急特集]「全中」はなくなるのか!? 

卓球王国2024年12月号掲載

地域移行の中で中学の「部活」はどこへ向かうのだろうか 

中学校の指導者、クラブチームのコーチの間で、最近まことしやかに「全中がなくなるらしい」という噂が流れている。それは学校の教員の働き方改革から端を発し、「中学校の部活動をなくし、地域移行しようとしている」という話に広がり、それを火元に、「全中がなくなる」という煙となって広がっているようだ。ことの真相を探ってみよう。

Text by

今野昇Noboru Konno

全国中学校大会が迎える危機と、日本卓球協会が抱える問題。中学の部活を守り、卓球を楽しむ子どもたちを守っていこう

2024年の全国中学校大会(全中)より

3年後に9競技の全中が取りやめとなるが、卓球は残りの11競技として全中を継続

1970年に始まった全国中学校大会の卓球競技(全中・初年度はシングルスのみ)。54年間(コロナ禍の2020年は中止)続いてきた中学生の憧れの大会が存続の危機に見舞われ、大きな岐路に立たされている。

 6月8日に中体連(日本中学校体育連盟)が令和9年度(2027年度)から9競技の全中を取りやめることを発表した。現行の20競技からほぼ半減させることで、大会運営を行う教員の負担を減らそうという狙いだ。

 部活動の設置率の低い9競技(水泳・体操・新体操・ソフトボール男子・相撲・スキー・スケート・アイスホッケー)は3年後には全国中学校大会を開催しない(スキーは2029年度まで)。目安となった部活動(以下:部活)の設置率は20%未満。つまり、これらの9競技は10校の中学校のうち、設置されているのは2校未満ということになる。水泳などはプールを設置していない学校が多く、大きな町であればスポーツクラブがスイミングスクールを運営しているし、体操部のある中学校はたしかに少ないだろう。 

 これらの決定の裏には文部科学省が推し進める教員の「働き方改革」が関係していると言われ、大会運営だけでなく、部活の顧問となっている教員の負担軽減を目的としている。

 3年後に9競技の全中を取りやめることで、卓球界でも「3年後には卓球の全中がなくなるらしい。3年後の会場が決まっていない」という情報が独り歩きをしている。東京都中体連卓球競技部長であり、日本中学校体育連盟卓球競技部長、日本卓球協会の中学生普及委員会の神村義裕委員長はこう説明する。

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