
[特集・石川佳純]2012年ロンドン五輪、卓球三人娘が語る銀メダルの感激<前編>
卓球王国2012年11月号掲載
2012年8月5日、日本の卓球の歴史を変えた日。

1988年ソウル五輪に初登場した卓球競技。しかし、メダルに手が届かなかった日本。それから実に24年の月日が流れ、日本の卓球競技初のメダルが2012年ロンドン五輪の女子団体の銀メダルだった。2008年北京五輪ではメダルを前にしながら韓国に二度も敗れ、悔しい思いをしたが、ようやく待望の五輪メダルを日本が獲得した。
2012年8月5日、女子団体の準決勝で日本がシンガポールを破りメダルを決めた日は、日本卓球史を変えた日でもある。石川佳純はシングルスでもベスト4に入るなど、日本のエースとして成長していた。卓球三人娘として日本中を沸かせ福原愛・石川佳純・平野早矢香のインタビューを2回に分けて掲載する。
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日本中が感動した女子団体のメダル獲得の瞬間。
福原愛・石川佳純・平野早矢香の三人娘が最高のチームスピリットを見せ準決勝でシンガポールを破った瞬間、日本卓球界に五輪史上初のメダルをもたらした。
まだ感動さめやらぬ2012年8月14日に行ったインタビュー。三人はメダル獲得の情景を熱く語った。
写真=今野昇、アン・ソンホ(五輪)、高橋和幸
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石川佳純「団体戦でリベンジしたかった。もともと3人で団体でメダルを獲るという目標を持っていたから」
現地ロンドンにいるとわからないことがある。それは日本でどのように卓球が報道され、どれほど熱く盛り上がっているのか、ということだ。
卓球にとって五輪史上初のメダルをもたらした日本女子。準決勝で今まで一度も勝ったことのないシンガポールに完勝し、メダルを決めると、福原愛・石川佳純・平野早矢香の三人娘はともに抱き合い、涙を流した。そのうれし涙はいつまでもいつまでも止まらなかった。
劇的なメダル獲得のシーンと3人の明るいキャラクターで感動は倍加され、テレビを通して3人の五輪への熱い思いが全国の人に伝わった。帰国した3人は日本でのフィーバーぶりに驚き、そして分刻みのスケジュールに追われた。そんな超多忙の帰国直後、8月14日にインタビューを行った。
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●─オリンピックへの出発前はどういう精神状態でしたか?
福原 出発直前は、いろんな気持ちが入り混ざっていて、「ここまで来たらやるしかない、もうやるだけやったから」と思えたし、たくさんの人に見送ってもらったので勇気づけられました。
石川 練習は結構たくさんやっていたので、あとはオリンピックでどうかなと。緊張はしていたけど、良い調整ができていたので不安はなかったです。