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[ワルドナー伝説]vol.16 97年、劇的なるゲーム
『100年にひとりの天才』と称された、ワルドナー(スウェーデン)の半生に迫った書籍『ワルドナー伝説』(卓球王国刊・絶版)。人気を博した1冊を卓球王国PLUSでプレイバック
Text by
イエンス・フェリッカJens Fellke
第2章 達人への道
From Mascot to Master
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1997年、劇的なるゲーム
■アトランタ五輪での失敗。マンチェスターでの賭け率が6倍となったワルドナー評価
96年アトランタ五輪の前、ワルドナーはナショナルチームの合宿でかなり好調だった。ところが、思わぬアクシデントがワルドナーを襲った。アメリカに出発する3週間前に、所属クラブ・カルマーでの練習中に彼は右手の親指を強く台にぶつけ、休むことを余儀なくされたのだ。アトランタ五輪前に彼が再び練習することはなかった。
ワルドナー自身は親指のケガにイライラすることはなかったが、アトランタでは準備不足を隠すことはできなかった。そして、世界ランク15位のジョニー・ファンに、台から下げられ、ワルドナーは最後まで自信を取り戻せないまま、良いところを見せることなくこの中国系カナダ選手に対して1−3の敗戦を喫した。前回の五輪金メダリストはあえなく姿を消したのだ。その大会で新しく金メダリストに輝いたのは、中国の劉国梁だった。
それから半年後、97年4月の世界選手権はイングランドのマンチェスターで開催された。その大会に出発する前の記者会見で、彼はマンチェスターを楽しみにしていると語っている。
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