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【どこまで知ってる?裏ソフトの重量ABC】vol.5 特別編「ラケットが重いとどうなる?」
卓球王国2022年8月号掲載
卓球選手がラバーの重さを気にするのは、ラバーを貼った状態のラケット全体の重さがプレーに影響するからだ。ここでは、ラケット全体(ラバー+ブレード)の重量とプレーへの影響について、力学的な観点で見ていこう。
参考文献:別冊『卓球グッズ2013』掲載「用具が重いとどうなる?」(監修:西田薫)
振り始めで力が必要
重いラケットほど、スイングスピードを出しにくいと感じる人は多いだろう。正確に言えば、「重いラケットは加速しにくい」と言える。100gの軽いラケットと、2倍重い200gのラケットで比較すると、軽いほうのラケットが2倍の加速度が得られる。逆に同じ加速度を得るには、重いほうのラケットだと2倍の力が必要になる。
速いスイングスピードに到達するには、軽いラケットのほうが少ない力ですむので、筋力のない人は軽めのラケットが有利と言えそうだ。
ただし、いったん加速したラケットは失速しないので、重いラケットであってもテイクバックからフォロースルーまで、常に強い力を入れる必要はない。また、時間に余裕がある場合、力が小さくても時間をかけて加速することができる。「振り遅れが多い」と感じる人だけ、ラケットを軽くすれば良いだろう。