【愛すべきザンネンな卓球用具たち】進化しすぎたグリップたち、進化を求めすぎる用具開発者たち
[特集・石川佳純]2012年叶える夢「表彰台では感動しました。2番なのにうれし涙流しちゃいました」<後編>
卓球王国2013年1月号掲載
The Dream Comes True.
ロンドンで叶えた夢。夢から目が覚めて、石川佳純を襲ったのはメダル獲得後のイベントの嵐だった。
そして、ようやくそんな時間が過ぎ、冷静にロンドンを振り返ることができる。石川佳純にとって、初出場のロンドン五輪とは何だったのか。銀メダルの重さとは何だったのか。
写真=今野昇、アン・ソンホ(五輪)
interview by
今野昇Noboru Konno
石川佳純●いしかわ・かすみ
1993年2月23日、山口県生まれ。四天王寺高校卒、全農所属。07年世界選手権に史上最年少の14歳3カ月で出場。09年世界選手権ではベスト8に入る。平成22年度全日本選手権優勝。初出場となった12年ロンドン五輪では、団体で銀メダル獲得、シングルスでも日本人初の4位に入った。世界ランキング8位(2012年11月当時)石川
それまでの時間が私にとってはすごく長くて、寝ても覚めてもオリンピックという感じだったので、あっという間に終わった感じでした
準決勝でシンガポールに勝ち、メダルを決めた夜、石川は母・久美と森田(旧姓・藤沼)亜衣コーチと3人で食事をした。まだ中国との決勝が残っていたが、しばしの時間、彼女は日本にとって五輪初の卓球のメダルの喜びに浸った。
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準決勝で勝って満足な気持ちもありましたが、だからといって、もう負けてもいいとは全く思わなかった。「今日、これだけ良い試合ができたんだから、明日はもっと良い試合がしたい、いつもよりもっと競り合いたい」という思いがありましたね。