【睡眠&リカバリー②】スポーツ選手に必要な睡眠 睡眠&リカバリー 後編

「睡眠は大事」と言われるけれど、それはなぜなのか、詳しく知らない人が多いだろう。スポーツや実生活での睡眠が果たす役割について、正しい知識を知りたいところだ。今回は睡眠医学のスペシャリストである西多昌規教授に、スポーツと睡眠に関する重要なポイントを説明していただいた。（後編）

監修=西多昌規（にしだ・まさき）
早稲田大学スポーツ科学学術院教授、早稲田大学睡眠研究所所長、精神科医。専門は睡眠医学、精神医学、身体運動とメンタルヘルス、アスリートのメンタルケア

⑤早寝早起きがいいのか

　早寝早起きがいいのか？　試合の日は何時に起きればいいか？　人間の体は「体内時計」を持っていますが、個人差が大きく、一概に断言することが難しい問題です。
　試合の当日は、起きてから試合開始までに、少なくとも軽めの朝食をとってからウォーミングアップができる程度の時間は必要でしょう。
　夜遅くまでの運動は、夕食や寝る時間帯が遅くなることにつながり、好ましくありません。夕食は寝る3〜4時間前には済ませておくのが理想と言われます。
　また、若者やスポーツ選手は「夜型」が多く、中高年は「朝型」が多い傾向があります。若者の場合は「早寝早起きがいい」とはあまり言えないようです。