佐藤瞳&橋本帆乃香 『WTTファイナルズファイナルズ 女子ダブルス優勝』インタビュー
大藤沙月 ライジングスター「ネガティブになっている時間がもったいない」
卓球王国2025年2月号掲載
20歳の大藤沙月にとって2024年は世界トップへと駆け上がった飛躍の年になった。 4月からWTTに本格参戦し、初戦のフィーダー ヴァラジュディンで優勝すると、 そこから負けなしで5連続優勝を飾り、 WTTでの勝率が90%に達するなど、世界中から注目を浴びる選手になっていった。 その躍進の理由を紐解くため、大阪で練習する大藤を訪ねた。
Interview by
中川 学MANABU NAKAGAWA
おおどう・さつき 2004年5月16日生まれ、福井県出身。卓球クラブのコーチをしていた父親の影響で3歳の終わりから卓球を始める。大野ジュニアクラブ、フェニックス卓球クラブを経て、四天王寺羽曳丘中に進み、全中で優勝。全日本ジュニア2連覇、インターハイ2位。四天王寺高からミキハウスに入社。24年4月から国際大会に本格参戦し、WTTで連勝を飾り、世界トップに躍り出た。 世界ランキング8位(12月10日現在)
「自分の実力を上げていくことができれば、
トップ5も不可能ではないと思っています」
「なんか今日は頭がまわらなくて、うまく話せてないですね。これでページになりますか?」 大藤沙月はそう言って笑った。あどけなさの残る20歳の大藤だが、ひとたびコートに立てば、目の覚めるようなパワフルな両ハンド攻撃を武器にしたトップアスリートに変貌する。 四天王寺時代の6年間で鍛え込まれた技術とメンタルが、新たなコーチとの出会いによって、変化と進化を遂げた激動の1年。世界ランキングでトップ10入りし、ロス五輪も見えてきた大藤は今、何を語るのか。
●――WTTファイナルズ福岡では、シングルスがベスト8、ダブルスが2位でした。戦い終えてみて、どのように感じていますか? 大藤沙月(以下・大藤) シングルスはどの選手も強いので、一戦一戦しっかりと勝っていきたいという気持ちで臨みました。ドローの前は初戦は外国選手がいいなと思っていたんですけど、1回戦で伊藤さん(美誠/スターツ)との日本人対決になりました。前回の対戦(10月のWTTチャンピオンズ モンペリエの準々決勝)で伊藤さんに勝っているので、相手もいろいろ変えてくると思っていましたが、あまり気にせずに自分の実力を出そうと思って臨んで、その結果で勝てたことはすごくうれしかったです。 ●――話せる範囲でいいのですが、伊藤選手との試合で何が良かったのですか? 大藤 大前提として、自分としては異質に対して苦手意識はあまりないことです。でも、そう言いながらも結構(異質型に)負けているんですけどね(笑)。また、これは伊藤さんとの試合に限ったことではないのですが、あまり戦術を考えすぎると足が止まってしまったりして、自分にとって良いことがないので、調子を落とさないことを意識して戦いました。技術や戦術も大切ですが、メンタルで不利にならないようにしていました。