水谷隼&吉村真晴の本音トーク「わざとこの人はやっていたんだ。つじつまが合ったので、この人怖いです」
卓球王国2025年2月号掲載 後編
レシーブでやるべきことと、そこからの戦い方
「今まで二人で卓球の話をしたことは?」と聞くと、口を揃えて「今回が初めて」とのことだった。水谷隼の本音トークシリーズで、松平賢二に続いて登場したのは、2016年リオ五輪・団体銀メダルのチームメイト、吉村真晴だ。
水谷隼(みずたに・じゅん)
全日本選手権大会で10度の優勝。2016年リオ五輪では男子団体銀メダル、シングルスで日本の卓球選手で史上初の銅メダルを獲得。2021年東京五輪では伊藤美誠との混合ダブルスで金メダルを獲得
吉村真晴(よしむら・まはる)
SCOグループ所属。2011年アジアジュニア選手権で優勝、2011年度全日本選手権決勝で水谷隼を倒して優勝。2017年世界選手権混合ダブルス優勝。2016年リオ五輪では男子団体で日本初の銀メダルを獲得。世界ランキング43位(2024年12月10日現在)
Interview by
ほどよく、11−8で勝つのがいいわけです(水谷) 今話を聞いてつじつまが合った。この人怖い(吉村)
トップ選手同士は、卓球の話をしないという。それは試合で対戦するので「自分の考えや戦い方を教えたくない」という感情が働くのだろうか。この対談後に「今まで二人で卓球の話をしたことは?」と聞くと、口を揃えて「今回が初めて」とのことだった。
水谷隼の本音トークシリーズで、松平賢二に続いて登場したのは、2016年リオ五輪・団体銀メダルのチームメイト、吉村真晴だ。
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●ー「吉村真晴」を10年以上見てきて、試合もやってきた。水谷さんは彼の変化をどう見ているんだろう。
吉村 緊張してきた(笑)。
水谷 変化というか、まずは安定した強さがある。日本選手の中にも対戦した時にじっくり見極めて料理できる選手と、最初から飛ばしていって、途中で臨機応変に対応する選手がいて、真晴は後者です。真晴にペースを握られたら嫌なので、1本目からスタートダッシュをかけることを意識しました。ただ、逆転されるイメージはあまりないです。
リードされてペースを握られたまま試合をしたくないんですね。技も多彩で器用だし、アグレッシブなプレーができるから、最初を抑えたい。一方、自分が先手先手でリードしたいけど、あまり点差を離したくない。離しすぎると戦術を変えてくるから、ギリギリでリードしていくやり方です。
吉村 おれ、相当調整されてたんだ(大笑)。