[ワルドナー伝説]vol.24 第4章 1 ワルドナーへの63の質問(前編)
『100年にひとりの天才』と称された、ワルドナー(スウェーデン)の半生に迫った書籍『ワルドナー伝説』(卓球王国刊・絶版)。人気を博した1冊を卓球王国PLUSでプレイバック。
第4章 将来のチャンピオンへ贈る言葉
Jan-Ove Waldner’s Tips for Future Champions
1 ワルドナーへの63の質問(前編)
■お金のために卓球をやっているわけじゃない。楽しいから卓球をやっているだけなんだ
Q1 君は神という存在を信じているのか?
「いいえ、ぼくは宗教的な信仰心の厚い人間じゃないし、超常現象のようなものも信じない。でも、ほかの意見や考えを持っている人は尊重しているよ。誰でも何かを信じて生きているものだからね。人生の意味というのは、ハッピーであること、つまりその人が喜びを最大限に感じられることじゃないのかな。誰もが余分なことを考えたり、何か重いものを背負わないで生きていきたいと思っているんじゃないかな」
Q2 君は政治的なことを考えたり、行動したりするのかな。
「ぼくは政治のことはよくわからないね。でも、ぼく自身の考えというのは社会民主党と保守派の中間のものだと思う。一番大切なのはみんながきちんと生活できる国じゃないかと思っている。人々の中でその生活水準が大きく違うのは良くないと思うよ。しかし、一方で税金が増え続けているのは良くないと思っているけどね。ぼくは選挙の時にあまり投票に行かない。誰かを選ぶのが難しくて、ぼくの考えと一致する人を選べない」
Q3 君はプロ選手としてどのくらいお金を稼ぐんだろう。
「たくさん稼いでいるとは思うけど、それがどのくらいなのか、ぼく自身よくわかっていない。それはぼくの財務関係を担当しているアドバイザーに聞いてもらうしかないね(後日、その人に尋ねたところ、年俸を明かすことは許可されていないと言われた)。ぼくはお金のために卓球をやっているわけじゃない。ただ楽しいから卓球をやっているだけなんだ。しかし、もちろん、2千ドル(約24万円)の賞金よりは2万ドル(約240万円)の賞金をもらうほうがうれしいよ。でも、お金だけですべてがハッピーになるなんて考えてないよ。どうしようもなく気分が落ち込んでいる時には、いくら銀行に大金があっても、それが解決策を導き、ぼくを助けてくれるわけじゃないから」
Q4 君が今まで旅行した中での一番の思い出は?
「97年1月のロサンゼルス(アメリカ)だね。招待試合があって、プレーしたんだけど、それはバスケットボールのNBAの、ロサンゼルス・レイカーズの試合の休憩の時に、金擇洙(韓国)と1万5千人の観客の前で卓球ショーをしたことだね」
Q5 一番好きな音楽は?
「ぼくは音楽をあまり聴かないんだ。でも、ブルース・スプリングスティーンが好きかな。それにU2も好きだな。特にリードボーカルのボノの声がいいね」
Q6 一番好きな映画は?
「ロバート・デ・ニーロが出演した『ミッドナイト・ラン』かな。ロバート・デ・ニーロとジャック・ニコルソンが好きな俳優だね。何かパワフルな印象がある」
Q7 一番好きな本は?
「真剣に本を読んだことはないね。でも、テニスのビヨン・ボルグの自叙伝は記憶にある」
Q8 一番好きな食べ物は?
「いろいろな種類のパスタが好きだね。ぼく自身が料理するのは週に一度くらい。ソーセージのマカロニ添えとか、独身者向けのものを食べているよ」
Q9 君の気に入っているニックネームは?
「イェーン(Janne)かジー・オーくらいかな。ジー・オーの音が一番いいかな。短くてシンプルだしね」
Q10 『卓球界のピカソ』『卓球のモーツァルト』『バイオリンのストラディバリウスを操るようなラケットさばき』とか言われているけど。
「いいように言われるのは悪い気がしないよ。卓球のモーツァルトもおもしろいよね」
Q11 一番好きな飲み物は?
「食事の時にはミネラルウォーターで、夜遅く飲む時にはビールだね。ドイツビールが最高だね。あのクリーミーな泡が何とも言えない」
Q12 一番の親友は?
「アペル(ミカエル・アペルグレン)とトーマス・ブローリン(有名なサッカー選手)。アペルとは、ぼくが10歳の時から一緒に練習してきたし、お互い台を挟んで戦ってきた仲だしね。プライベートで会う時にもいつも自然に話をすることができる。ブローリンとは90年代のはじめに知り合って友だちになって、お互いが好きなものが共通している。スポーツ、ギャンブル、競馬、ゴルフとか。いつも一緒にいる遊び友だち」