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[ワルドナー伝説]vol.24 第4章 1 ワルドナーへの63の質問(前編) 

■ 住んでいるアパートをきれいに掃除した時には
  信じられないくらいに満足するよね

Q24 君が自分を誇りに思う時っていつ?
 「あんまりないね(笑)。でも、住んでいるアパートをきれいに掃除した時には信じられないくらいに満足するよね(笑)」

Q25 何か後悔していることは?
 「ないね」

Q26 君は競馬にお金を賭けたり、いろんなものに賭けたりするけど、なぜだろう。
 「エキサイティングな瞬間を求めているということかな。でも、ここ何年かはあまり熱くならずに、結構冷静だけどね」

Q27 やはりギャンブルにもっとも熱中するということ?
 「中国に遠征に行った時に、ぼくはエリック・リンドと朝の5時までダイス(さいころ)を使って賭け事をしたことがある」

Q28 賭け金は大きいの?
 「数千ドルくらいかな。いつもそんなにきつくはお金を賭けたりしない。楽しいのは賭けることであって、大きいお金をいくら賭けるかということじゃない。友だちと一緒に遊びに行ったり、お互いに電話しながら賭け率を確認したりとかね。同様に、ぼくがアペルやブローリン、そしてアイスホッケーの選手たちと一緒に所有している競走馬の『ピーチ・バレー』も、お金を稼ぐためではなく、みんなが集まる楽しみのひとつなんだよね」

Q29 今までで一番大きな勝ちは?
 「それは言わない。ぼくの中だけにしまっておくよ」

Q30 一番好きな遊びは?
 「バック・ギャモンだね。もう15年間もやっている。短い時間の中でいろんなことが起きるからね。頭の中ですばやく考え、集中しなければいけない」

Q31 なぜ君は運転免許のライセンスを取らないの?
 「講習を受ける時間がなかなかとれないし、自分の車がなくても不便じゃない。それにぼくは怠け者だから」

Q32 2日ごとにホテルに泊まるような生活だけど、疲れない?
 「問題ないよ。どこに泊まろうが、あまり気にならないし、快適だよ」

Q33 もし急にフリーな日ができて、しかも冬でゴルフができない時だったら君は何をするの?
 「テレビでも見るかな。それとも両親のところか兄のところに行くだろうね」

Q34 スウェーデンには徴兵制があるけど、君が軍隊で訓練を受けた時はどうだった?
 「パーソンの故郷、ハルムスタッドというスウェーデン西海岸にある訓練所で5カ月間を過ごしたよ。最初の頃ぼくは硬くなっていたと思うけど、半分を過ぎたあたりから緊張も取れた。ぼくとカールソンとフォン・シェーレはいわゆるスポーツ・ミリタリー・サービスというところに行き、午前、または午後に卓球の練習をすることができたんだ。だから一日がうんざりするほど長いという感覚はなかったね。
 その時に、なぜスポーツマンは軍隊での訓練を短縮でき、優遇されるのかという質問をされたけど、ぼくはナショナルチームレベルのスポーツマンは軍隊での訓練は必要ないと思っている」

Q35 君は左の頬に傷跡があるけど、それがどうやってつけられたのか説明してくれる?
 「香港で試合があった時に、ぼくとアペルは食事をしに外に出ていった。おそらく、ぼくらが食事を終えて、お金を払う時に、ぼくらがかなりお金を持っていることに誰かが気づいたんだろう。ぼくらが店を出た時、アペルは止まっているタクシーに向かって走り出した。その瞬間、ぼくは後ろからガツンと殴られ、道に倒れたんだ。ぼくはすぐに起き上がり、そのまま走り出した。男たちはすぐに追いかけてきたけど、あきらめてそのあと消えてしまった。すべてが一瞬のうちだった。ぼくはそれがナイフかどうか、それともガラスの破片のようなもので頬を切られたのかどうかわからなかった。ぼくは血を流しながら、ショックを受けて、ホテルまで歩いて帰った。あんなに怖い思いをしたことはぼくの人生ではほかにないよ。でも、もし怪しい場所でまずいタイミングにそこにいたら誰でも何もできないものだよ。香港では行ってはいけない場所にぼくは行ってしまったけど、ある意味、そのくらいのケガですんだから、ぼくはラッキーだったのかもしれないね」

Q36 有名人でいることはどんな感じ?
  「良いところは、君は誰なのかと聞かれることなしに、飛行機でビジネスクラスに座ることができることかな。嫌な部分というのは、酔った人たちが話しかけてきて、ぼくがバーの外に出なければいけないこと。常にまわりにぼくが誰なのかを知られていて、誰かに管理されている感じを受けることがある。だから、ぼくは知っている人と一緒にいる時には、いつもと違う行動をすることもある」

Q37 君は報道陣やメディアとはうまくやっているのかな。
 「そうだね。でも、ぼくが彼らに怒ってしまうこともあるね。ぼくが時々、いい試合ができなかったりすると、夜にビールを飲んでいたせいで良くなかった、なんて記事を書かれて怒ったこともある。でも、全体的に言えば、良好な関係だろうね」 

〈ワルドナーへの63の質問(後編)へ続く〉

第1章 キングオブ・テーブルテニス はコチラ→ 第1章 vol.1 卓球王のプロローグ

第2章 達人への道 はコチラ→ vol.5 第2章 1 マスコットから達人へ

第3章 アウトサイド・ザ・コート の1はコチラ→ vol.18 第3章 1 クレイジー・フォー・ゴルフ


『ワルドナー伝説』

1980年代から2000年代頃まで、世界の卓球界をリードした男、ヤン‐オベ・ワルドナー(スウェーデン)。世界選手権優勝、五輪優勝などをはじめとして、数多くの伝説を作った名選手で、「神の子」「卓球のキング」「卓球界の最後の天才」「100年にひとりの天才」と称せられるプレーヤー。その希代のスーパースターの少年時代から現在までの素顔とすごさに迫る渾身の一冊。
2004年 卓球王国発行 四六判 314ページ(絶版)
イエンス・フェリッカ・著 / 今野昇・訳 / 高橋和幸・写真

DVD『ワルドナーのスーパープレー』

D-036  6,809円(税込)2枚セット

約230分、製作:リフレックススポーツ、企画・販売:卓球王国

「100年にひとりの天才」と言われたスウェーデンのヤン-オベ・ワルドナーのスーパープレー集。※全編英語/日本語字幕・吹き替えなし 発売日:2009 年10 月