上田仁の挑戦と順応。「ドイツでは打たなくても良いという選択肢があるんです。カットで返してもいい」
水谷隼の[卓球の試合を10倍楽しむポイント]vol.2「チキータ対策のためのサービスが使われ始めている」
卓球王国2024年3月号掲載
解説・水谷隼[東京五輪金メダリスト]
全日本選手権を前に、東京五輪金メダリスト・水谷隼さんが、サービスとレシーブを中心とした試合への自身の視点を紹介。これを読めば、卓球観戦のポイントがより深まり、卓球がさらにおもしろく感じられるかも⁉︎
選手たちは常に「どのサービスが効果的か」を探している
お互いが読み合い、探り合いながらサービスを出していくのも卓球のおもしろさのひとつです。特に初めて対戦する相手に対しては、どのサービスが効果的かがわからないので、選手たちは試合の前半でいくつかの種類のサービスを出してみて、どのサービスが効くか探っていきます。
すべてのサービスに対して完璧に返せる人は少なく、サーバーは相手の弱点を探りながらサービスを組み立てていきます。
トップ選手は、同じサービスを試合の最初から最後まで出し続けることはほとんどありません。試合の前半、中盤、後半で組み立てを変えることが多く、試合の前半で効かなかったサービスが後半で効き出すこともあります。
基本的に「前半で出すサービス」というのは、自分が得意とするサービスか、相手が苦手としているサービスで、これらのサービスから試合に入っていくのがセオリーです。