リチャード・リー「卓球で学んだすべてが、ピックルボールで役立ちました」。急成長するピックルとヨーラ社
卓球王国独占インタビュー[リチャード・リー ヨーラCEO]vol.2
リチャード・リー Richard Lee JOOLA CEO USA
1978年、アメリカ生まれ。ジョンズ・ホプキンズ大学を卒業し、2006年にヨーラ社のアメリカ代理店を始める。2022年からは卓球に加え、ピックルボールのビジネスをスタートさせ、ヨーラ社は300人を超える社員を雇用するまで成長している。
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ゲームの性質上、みんなが一緒に楽しむことができ、より楽しい雰囲気が生まれます
ヨーラを買収したリチャード・リー氏だが、すぐに世の中では新型コロナが蔓延し、社会生活が営めない状態になった。しかし、コロナ収束後にヨーラは急激に売り上げを伸ばし、さらに「ピックルボール」と出合った。それは偶然、いや運命かもしれない。
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●−ピックルボールならではの特徴、空気感というのはあるのでしょうか?
リチャード・リー(以下RL) 私自身のアメリカの卓球クラブの経験では、新しいスポーツを始めたばかりの人がプロのクラブに入ると、「お前は誰だ?」という雰囲気で迎えられます(笑)。「ここはプロの卓球クラブだ。何しに来たんだ?」と言わんばかりで、敷居が高く感じます。でもピックルボールでは、もっと歓迎的で、コミュニティとしての一体感があります。
ゲームの性質上、みんなが一緒に楽しむことができ、より楽しい雰囲気が生まれます。スポーツ自体に大きな文化的違いがあります。卓球は幼い頃から練習を重ね、長い時間をかけて成長していきますが、ピックルボールは高齢者層から始まります。
アメリカでは高齢者コミュニティがスポーツの大使となり、地元の政府やスポーツコミュニティに「ピックルボールのコートを追加させてください」と話し掛けました。そして、「コートを提供してくれたら、私たちが常に使います」と。高齢者は時間に余裕があるため、このスポーツの成長を支えました。
今では多くの人がプレーしており、平均年齢は60代から30代に下がりました。そして、これからも若い世代にシフトしていくでしょう。