【アーカイブ】水谷隼&石川佳純の対談「王者、恐るべし。」 vol.1
プラボールの影響!? ラバーハード化現象
卓球王国2023年12月号掲載
近年、以前よりスポンジ硬度が高いラバーが多く登場している。メーカーやショップに取材し、スポンジ硬度の変遷とその理由を探ったところ、「ボールの影響が大きい」という意見がほとんどだった。
かつてはソフト版が人気。現在はハード化するラバー
時代とともに主流となるスポンジ硬度は変化している。初の「高弾性ラバー」として67年に登場した『スレイバー』(バタフライ)の硬度は38度(バタフライ基準)だが、89年にはソフトスポンジ版である『スレイバーFX』(33度)が登場。当時は有機溶剤入りでスピード増強効果のある「スピードグルー」が全盛期。「軟らかいスポンジはグルー効果が高い」として人気だったのだ。同様に『マークⅤ』(ヤサカ/68年発売)も、後年に『マークⅤ AD』『マークⅤ 30°』などのソフトスポンジ版が発売された。
その流れが変わったきっかけは、08年のスピードグルー禁止(ラバー後加工禁止)と、14年にボールがセルロイド製からプラスチック製に変わったことのようだ。ラバー事情に詳しい、卓球ショップ「卓球家840」(埼玉)の正海三弘さんは言う。