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カウフマン「卓球の一番の魅力はプレースタイルが無限にあること」 

卓球王国2025年3月号掲載 アネット・カウフマン[ドイツ/世界ユースU19チャンピオン]

パリ五輪で張本美和に完勝したアネット・カウフマン。大学で犯罪学を勉強しようとしていた成績優秀な高校生は、オリンピックを機に、プロの卓球選手への道を選ぶことにした。2024年12月に木下グループ卓球部の門を叩き、練習に打ち込んでいた。ホビープレーヤーだった異色のカウフマンのインタビューである。

Interview by

今野昇Kosuke Takehara

[アネット・カウフマン]
2006年6月23日、ドイツ生まれ。2024年ドイツ選手権優勝、パリ五輪ではドイツの準決勝進出に貢献、24年世界ユース選手権U19優勝。世界ランキング94位(2025年1月17日現在)

卓球は戦術面やメンタル面が本当に重要で、今でもそれが私を魅了しています

 2024年12月、183㎝のアネット・カウフマンが成田空港に降り立った。18歳のドイツ選手は、11月29日にスウェーデンで幕を閉じた世界ユース選手権・U 19(19歳以下)女子シングルス決勝で縦歌曼(中国)を破り、同種目では初のヨーロッパからのチャンピオンとなった。

 彼女が世界的に注目されたのは、24年パリ五輪の女子団体準決勝で張本美和(当時世界ランキング8位)をストレートで破った試合だろう。サウスポーから放たれる両ハンドのドライブが、日本の未来のエースを打ち破った試合だった。

 「日本の部活動」レベルの練習量。学業でも成績優秀で大学入学を目指していたカウフマンはオリンピック出場を機に、プロとして歩む道を選んだ。

 ドイツの学校制度では大学に進むという意味はプロを諦めることだ。卓球を選んだ異色のプロ選手、カウフマンのインタビューが始まった。

◇◇

●─ご両親はカザフスタン出身で、ウィンタースポーツのプロ選手ですね?  

アネット・カウフマン(以下・AK) 父はアイスホッケー、母はスキーの選手でした。4歳上の姉、アレクサンドラが卓球をしていて、私はいつも卓球ホールでボールを拾ったり、姉のプレーを見ていました。そして、4歳の時に私も少しだけ卓球を始めてみて、それが楽しかったので、今ここ(日本)にいます(笑)。

●─生まれ育った南ドイツではスキーはできなかったんですね? 

AK スキー場は遠すぎたんです。それに、女子アイスホッケーチームもありましたが、あまり強くなかった。たぶん、父は自分が何度も手術を受けるほど多くのケガを経験したので、(娘には)危険の少ないスポーツを選ばせたかったのだと思います。 

 卓球を始めた理由は姉の影響ですね。姉が試合で優勝した時、小さなトロフィーをもらったんです。それを見て「私もトロフィーがほしい!」と言ったら、姉は冗談で「自分で勝たなきゃもらえないよ」と言いました。そこから私も卓球を始めて、トロフィーを目指して頑張るようになったんです。最初は少しずつ遊びで始めて、だんだん練習量も増えていきました。

●─他のスポーツも選べたはずですが? 

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