【タイムマシン・1】この子はダ〜〜レ? 「体は小さくても夢は大きい!」

卓球マニア養成ギブス[ようこそ卓球地獄へ]素質のない人
卓球王国ブックス「ようこそ卓球地獄へ」<第2章 卓球・卓球・卓球>より<その12>

Text & Illustration by
伊藤条太Jota Ito
我々一般人が一流選手のボールを知らないように、一流選手もまた「素質がない」ということがどういうことなのか知らないのだ
一流選手がインタビューなどで「自分は素質がないので努力するしかないと思った」などと言っているのを目にすることがあるが、いかがなものだろう。軽々しく「素質がない」などと言ってもらっては困る。我々一般人が一流選手のボールを知らないように、一流選手もまた「素質がない」ということがどういうことなのか知らないのだ。
そこのところがよくわかっていない一流選手のために、「卓球の素質がない人」の実態について解説しよう。今から紹介する人たちは、ちょっとやそっとの非才ではない。非才中の非才、いわば非才の一流選手たちである。ただ下手なだけではない。ただの下手なら、初心者や練習不足の者は誰だって下手だし、そんなものは珍しくもなんともない。彼らは、普通以上の情熱を卓球に傾けて相当量の時間を練習に費やし、それでもなおかつ下手なのだ。