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【アーカイブ石川佳純】「一緒にみんなで競争していくことが自分にとってもプラスになると思っています」 

卓球王国2017年3月号掲載[2017年の決意 石川佳純/全農]前編

石川佳純の2016年リオ五輪を終え、日本の女子はかつてないほどの激しい競争の渦の中で、選手がひしめき合っていた。伊藤美誠・平野美宇・早田ひな・浜本由惟・加藤美優という高校生に佐藤瞳を加えた若手の強さが日本を押し上げている。
一方、その若手の壁となり、日本のエースとして威風堂々の佇まいを見せる石川佳純。リオ五輪では団体でメダル獲得となったが、シングルスでは初戦で敗れて屈辱の底に落ちた。その屈辱を2020年東京五輪で晴らすべく、彼女はスタートを切っている。その決意と日本のエースの素顔に迫ってみた。

石川佳純●いしかわ・かすみ
1993年2月3日生まれ、山口県出身。小学1年で卓球を始め、四天王寺中2年時の全日本選手権で史上最年少のベスト4進出、平成22年度全日本選手権で初優勝。世界選手権では09年大会でシングルスベスト8、14・16年大会で団体準優勝。12年ロンドン五輪では女子シングルスでベスト4進出を果たし、女子団体で日本に初の銀メダルをもたらした。2014年ITTFワールドツアー・グランドファイナル優勝、世界ランキング6位(2016年7月当時)

PHOTO 江藤義典

interview by

今野昇Noboru Konno

リオは力が入りすぎたかなと思います。でも、それがオリンピックですよね

 この号が発売されるのと同じタイミングで1年の総決算であり、始まりでもある「全日本卓球」は終わっている。
優勝候補と言われる選手たちはこのタイミングで卓球王国の表紙になることを嫌がる。全日本選手権直後に発売される号に出るということは、「あなたは優勝するんですね」と念押しされているような気分で、妙な重圧がかかるらしい。それは石川佳純も例外ではない。
若手が力をつけ、特に高校生の平野美宇・伊藤美誠・早田ひな・浜本由惟・加藤美優が猛追している。しかし、5度目の優勝を狙う石川にはどこか余裕を感じた。それは今までの優勝経験に裏打ちされた自信であり、彼女が歩もうとする山がさらに高いところにあるためではないだろうか。
国内最高峰の頂に登るのは苦しい。今まで4度踏破したとはいえ容易ではない。しかし、国内の頂に登る感覚を体が覚えている。緊張や重圧があってもそれを克服する術を知っている。それが石川佳純の強さだ。
2016年のリオ五輪のシングルスでメダル候補と言われていた石川。初戦で北朝鮮のキム・ソンイと対戦する。出足から好調で、石川のボールが次々とキムを襲う。しかし、ゲーム終盤で攻めきれず、6ゲーム目には右足に異変。足の痛みが敗因でないと本人は言うが、五輪という大舞台で「魔物」が彼女に襲いかかった。

 シングルス初戦敗退から一転、団体戦では全勝を飾り、「日本のエース、石川ここにあり」というプレーを見せた。悔恨と手応えが交錯した石川佳純のリオ五輪は終わった。
2020年東京五輪に踏み出すために、彼女の2017年が動き出す。

◇◇

●─2017年がスタートしますが、2020年東京五輪に向けて、日本の女子は競争が激しく、気を緩められない状況です。

石川 もちろんそうですね。強い選手がたくさん出てきて、競争も激しくなっていて、うかうかしていられない気持ちは当然強く持っています。私自身、若手として15歳、16歳から試合に出させてもらって、先輩に追いつこうと、ものすごく大変だったことを覚えています。その中でやってきた自信もあります。努力を続けることで自分自身のレベルが上がるし、一緒にみんなで競争していくことが自分にとってもプラスになると思っています。

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