
【アーカイブ・カルデラノ】水谷隼×ウーゴ・カルデラノ スペシャルトーク[前編]
卓球王国2022年12月号掲載
今季からノジマTリーグに参戦し、木下マイスター東京に所属するウーゴ・カルデラノ(ブラジル)と2021年の東京五輪で金メダルを獲得した水谷隼の対談が実現した。二人は世界の舞台で4回対戦し、お互いを知り、現役引退をした水谷がカルデラノに卓球の奥深い部分を伝授した。二人の対談を2回に分けて掲載する。
PHOTO:花田龍之介
interview by
今野昇Noboru Konno
「超短い言葉でまとめれば、メダルを獲るにふさわしい人間かふさわしくない人間かということだと思う」─水谷
「ビッグゲームの勝利と敗北の差というのは本当に小さなものだった」─カルデラノ
現役を引退し、テレビを中心に活躍を続ける水谷隼。長く卓球の世界で生き、類まれな身体能力と多彩な技術、独特の観察能力で五輪で金メダルを獲得、卓球界に金字塔を打ち立てた。少年時代にドイツで腕を磨き、その後、中国・超級リーグ、ロシアリーグなどを渡り歩き、全日本選手権で10度の優勝を誇る日本卓球界のレジェンドだ。
一方、13歳から本格的に卓球を練習し、あれよあれよという間に世界ランキング5位まで上りつめたウーゴ・カルデラノ。ブラジルという卓球の伝統を持たない国からいきなり飛び出した選手だ。少年時代までバレーボールと陸上競技という異種のスポーツキャリアを持ち、独創的な卓球を作り上げた。穏やかな人柄だが試合では超アグレッシブ。そして5カ国語を操る頭脳を持つ。
この二人の対談が凡戦に終わることはない。そう確信しながら撮影と話の掛け合いは始まった。
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