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まだ道半ば。世界的チョッパー、佐藤瞳「自分の可能性を信じている」

卓球王国PLUS独占インタビュー 佐藤瞳(日本ペイント)前編

彼女はドーハで開催される世界選手権のコートには立たない。
しかし、本来であれば代表に選ばれていてもおかしくない実績を持つ選手である。
佐藤瞳、27歳。
3月に長年所属していたミキハウスを離れ、4月からは日本ペイントに移籍したが、練習環境自体は大きく変わっていない。
ダブルスのパートナーである橋本帆乃香(デンソー)とともに、カットマンという希少なスタイルで日本でも世界でも存在感を放っている。
2025年1月の全日本選手権では、ベスト8進出を懸けた試合で張本美和に敗れた。
その試合後、「周りがどう思うかはわかりませんが、私は自分にはまだ可能性があると信じています」と語った言葉が、ずっと心に残っている。
日本の女子卓球界では、激しい競争が続いている。若くして才能を開花させる選手がいる一方で、佐藤瞳のように、少しずつ着実に歩みを進めていく選手の声にも、私たちは耳を傾けるべきではないだろうか。

佐藤瞳 日本ペイント

PHOTO Manabu Nakagawa

Interview by

今野昇Noboru Konno

■ さとう・ひとみ
1997年12月23日、北海道函館市生まれ。尾札部中3年の時に全国中学校大会で優勝し、札幌大谷高1年でインターハイ準優勝。高校卒業後にミキハウスに入社、2019年世界選手権ブダペスト大会で橋本帆乃香との女子ダブルスで3位入賞し、銅メダルを獲得した。4月にミキハウスから日本ペイントに移籍した。2024年WTTファイナルズでは橋本との女子ダブルスで優勝を飾った。2017年に世界ランキング自己最高位9位、現在は世界ランキング42位

契約の話になった際には、「私はまだ世界を目指したい」と正直に伝えました

●ーインタビューは2020年のコロナ禍以来になります。今年は海外での試合に多く出場していますね。そして4月のWTTフィーダーでは2大会連続優勝を果たしました。
佐藤瞳(以下、瞳) 4月までにWTTの4大会に出場しました。6月もまた4大会に出場予定です。
●ー6月は毎週のように試合が続くということですね。
 そうなりますね。
●ー全日本選手権での敗戦後、「周りがどう思っているかはわかりませんが、私はまだ自分の可能性を信じています」という言葉が印象に残っています。4月からは日本ペイントに所属が変わりましたね。
 練習環境はほとんど変わっていません。寮生活から一人暮らしになったくらいです。日本ペイント所属となり、ミキハウスが引き続きスポンサーとして支えてくださる形になりました。形は変わりましたが、継続してサポートいただけていることにとても感謝しています。
 日本ペイントはもともとTリーグを中心に活動していたチームですが、その中で私が所属選手として迎えられたことには、自分なりに覚悟を持って臨む必要があると感じました。契約の話になった際には、「私はまだ世界を目指したい」と正直に伝えました。その想いを応援していただけたことで、新たなスタートが切れたと思います。
●ー高校を卒業して社会人になってから何年目ですか?
 今年で10年目です。高校を卒業したのが18歳で、今年の12月で28歳になります。本当にあっという間で、自分でも驚いています。
●ー社会人としての10年間を振り返ると、どのような気持ちですか?
 特にコロナ禍の4~5年は、思うように試合に出られず、もどかしい気持ちが続いていました。「あの時期に海外の大会に出ていたら、どこまで行けていたのだろう」と考えることもあります。でも、その時間があったからこそ、今の自分があるとも思います。必然だったと受け止めています。
 そしてやはり、大阪に来たことは自分にとって大きな転機でした。

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