各メーカー テンションラバー相関図・中編【ティバー・ヤサカ・スティガ・ニッタク】

[ようこそ卓球地獄へ/妄想卓球スパーク!] 卓球選手の髪型
卓球王国ブックス「ようこそ卓球地獄へ」<第3章 妄想卓球スパーク!>より <その22>

Text & Illustration by
伊藤条太Jota Ito
それまでの卓球史に見られなかった、触れると怪我をしそうな危険なまでに鋭い角刈りは、他国に計り知れない脅威を与えた
卓球選手の髪型について考えてみた。卓球はファッショナブルではないと思っている人も多いと思うが、日本男子の髪型の豊穣な歴史を見て考え直してほしい。
まず、日本が世界選手権にデビューした1950年代から1960年代を見てみよう。選手でいうと佐藤博治、荻村伊智朗から木村興治あたりまでだが、いずれも長すぎず短かすぎず、きちんと整った清潔感あふれる髪型で、いわば「優等生」といった趣である。明治維新でちょんまげを脱した日本が、この時期すでに世界レベルにあったことを示している。
1960年代後半、一人の若者が鮮烈にデビューする。長谷川信彦だ。それまでの卓球史に見られなかった、触れると怪我をしそうな危険なまでに鋭い角刈りは、他国に計り知れない脅威を与えた。あまりに独創的であったため、後継者は唯一、中国の王涛(一九九二年五輪複金メダル)を数えるにとどまる。