佐藤瞳「若くして大成するんじゃなくて、年齢を重ねて大成する人がいてもいいですよね」

[アーカイブ石川佳純]五輪に選ばれし者たち。誰よりも知る「オリンピックの怖さ」
2020年卓球王国3月号より
東京五輪のシングルスの2枚目の切符を手にするため、ラストチャンスに懸けた石川佳純。
「今年一番のプレー」でそれをつかみ取った女傑は、圧倒的な経験値とともに東京五輪のコートに立つ。
リオの地に残してきた大きな悔恨を、歓喜の笑顔に昇華させるために。

「東京五輪のシングルスに出ることがこんなに大変だとは、あの頃は正直思っていなかったですね」
2013年9月8日、石川佳純は母・久美さんからの早朝の電話で、東京五輪の開催決定を知ったのだという。それから6年。1月6日に行われた五輪代表候補発表後の囲み取材で、石川はしみじみとこう語った。
「東京五輪のシングルスに出ることがこんなに大変だとは、あの頃は正直思っていなかったですね」
石川佳純と平野美宇の、2枚目のシングルス代表の切符を懸けた代表選考レースは、球史に残るほど激しく、厳しいものとなった。決着したのは昨年12月のITTFワールドツアー・グランドファイナルだが、結果的にはその前週にカナダで行われたITTFチャレンジプラス・ノースアメリカンオープン決勝で、石川が平野を4-2で破り、世界ランキングのポイントで再逆転したことが決定打となった。