
水谷隼&平野美宇の本音トーク「あ、水谷さん、これから本気モードなんだ、と思ってました(笑)」
卓球王国2025年7月号【水谷隼&平野美宇の本音トーク 前編】
松平賢二、吉村真晴のあとの「水谷隼の本音トーク」第3弾は五輪メダリストの平野美宇さん。
同じメダリストゆえの共有する部分とは何か。男子と女子でその考えというのはどう変わるのか。まさに「未知なる対談」だった。

Interview by
写真=中川学 ヘアメイク=片山智恵子(HMC Inc.)協力=木下グループ卓球部
バック対バックは強い、そこに至るまでに失点する場面が多いのかな(水谷)
25歳になったばかりの平野美宇は卓球一筋、22年間という卓球人生をすでに過ごしている。長いがゆえにわかることもあれば、長いがゆえに何をすべきかわからずに思い悩むこともある。その思いを先輩メダリストの水谷隼にぶつける「本音トーク」が始まった。
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●ー水谷隼の本音トークの第3弾のお相手はは平野美宇さんとなりました。ジュニア時代から水谷さんは平野さんの変化を見ていると思いますが、どう見えていたのでしょうか?
水谷 意外と波が激しくないというか、右肩上がりで伸びてきていますね。特に2016年、17年頃に中国選手を連続で倒していた時期があって、あの年齢で強くなりすぎると、その後が大変じゃないかな。(平野)美宇ちゃん自身も世界でメダルを獲ってしまうと、指導者も教えることがなくなってくるし、美宇ちゃんも目標が中国選手だけと思ってしまいがちだけど、実際には世界には強い選手がたくさんいるからね。
周りからの期待も大きくなり、世界で銅メダルを獲ってしまうと次は金メダルしかないと思われてしまう。そういう難しい環境の中でも順調に育っている感じがする。1年前の釜山での世界団体戦でも、中国選手に勝っていて、大舞台で彼らに勝つことは難しいから、力を発揮できているのはすごいことです。
平野 そう言っていただけるのはとてもうれしいです。そのうえで技術的にもっとこうしたほうがよいのでは、という意見があったら教えてください。