
平野美宇インタビュー[急がずに、休まずに]
卓球王国2025年7月号掲載
マイペースのように見えながら、アスリートとして疾駆を続ける平野美宇。
パリ五輪が終わった後も、アジア選手権で中国を破って団体優勝、
Tリーグのレギュラーシーズン最高勝率など、存在感を放ち続ける。
五輪代表選考レースと大舞台での経験が、彼女の進化をさらに加速させるのか。

インタビュー=柳澤太朗 interview by Taro Yanagisawa
写真=中川学 photographs by Manabu Nakagawa
ヘアメイク=片山智恵子(HMC Inc.) hair & make by Chieko Katayama
緊張した時にどうするかをすごく考えながら、 練習するようになりました。 オリンピックの団体5番で回ってきても 大丈夫というくらいの集中力で、 1球ずつ打つことを常に意識しています
オリンピックの選考レースでギリギリのところで勝ったり、負けたりという試合をしてきて、そこですごく鍛えられましたね
日本女子が団体銀メダルを獲得したパリ五輪から、早くも9カ月余りが過ぎようとしている。
過酷な五輪代表選考レースを制し、栄えある銀メダリストとなった平野美宇にも、十分な安息の時間は与えられなかった。パリ五輪閉幕の1カ月後には、早くも国際大会に復帰。アジア選手権での女子団体優勝、 Tリーグでのレギュラーシーズン最高勝率と、新たな記録を打ち立ててきた。
ゆっくりと、しかし確かなその歩み。「今はパリのことは、思い出すこともあまりない」という彼女は今、何を語るのだろう。
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●-卓球王国ではパリ五輪直後に平野さんにインタビューをして、その時は「4年後(ロサンゼルス五輪)のことはすぐには考えられない」と語っていました。今もその気持ちは変わらないでしょうか?
平野美宇(以下・平野) そうですね。今もまずは目の前の大会を、一つひとつ頑張っています。